NBS創設記念!! プロ野球を傷つけたコミッショナーを守るオーナーたちのナンセンス!(坂井保之)
この原稿は、共同通信社配信「異論正論」のコラムとして、今年(2013年)7月上旬に、全国地方紙に配信されたものです。
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統一球の問題、第3者による調査委員会の真相究明が進んでいるようだが、結論が出るのは9月末だと発表された。そんなに時間をかけて、一体何を調べようとしているのだろう。
まさかボールの飛びをよくするように変えた理由は何か、その指示は誰から出されたのか、この仕事を担当したのはコミッショナー事務局のだれだったのか、等々いわゆる事実関係の究明に力んでいるのではあるまいか。
これではまるで犯罪調査そっくりだ。
問われているのはコミッショナーの信義だ。国民がプロ野球に寄せている信義が、コミッショナ―から発せられた「私は知らなかった」「私は悪くない」式の一連のことばでおおいに傷ついた。
このコトの重大性をどう受け止めるかだろう。
何十日もかけて審議すべきものとは到底思えない。
ここらあたり、オーナー会議の皆さんはどうお考えなのだろう。野球協約にはコミッショナーの選定はオーナー会議で行うという規定がある。オーナー会議は、信義上問題のある人をコミッショナーに選んでしまった。このことを疑う余地はない。
オーナ―各位は、もしこのまま時日が経過して、事態がかすんでゆくことを期待しておいでなら、それはむなしい。全国何千万のファンはこのことを
忘れはしないからだ。
野球に限らず、スポーツはすべて、フェアプレーの精神を根幹とし、それあるがゆえに、多くの人に愛され、信頼され、かつ無限の喜びを与えている。そしてプロ野球はその輝く頂点に位置している。われわれに、その信頼を傷つけることは許されていない。
写真提供:フォート・キシモト