イスラエル・レバノン間の衝突激化
イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で、相互攻撃が激化しています。イスラエル軍は23日夜から24日未明にかけて、レバノン南部でヒズボラの標的を攻撃したと発表しました。一方、ヒズボラも、イスラエル北部の爆薬工場やメギドの飛行場を攻撃したと主張しています。
23日のイスラエル軍による大規模攻撃では、レバノン当局によると約500人が死亡し、1日の死者数としては1975年から90年の内戦以来最多となりました。この事態を受け、国連のトゥルク人権高等弁務官報道官は24日の会見で、事態のさらなる悪化を防ぐため、影響力のある国や機関が外交努力に全力を挙げるべきだと呼びかけました。
攻撃の影響は民間人にも及んでおり、ベイルート国際空港では30便以上の国際便がキャンセルされました。また、レバノン南部では多くの市民が避難を始めており、当局は約2万6000人を収容できる89か所の仮設シェルターを設置したとしています。
世界保健機関(WHO)によると、レバノンの複数の病院では負傷者への対応が追いつかず、機能不全に陥っているとのことです。さらに、医療施設や救急車への攻撃も報告されており、23日には医療関係者4人が死亡したとされています。
国際社会からは懸念の声が上がっており、ロシアは事態のさらなる悪化を警告しています。また、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は難民の増加を予想し、新たな避難場所の確保に動いています。
この危機的状況に対し、国際社会による迅速な外交的解決が求められています。