原発避難計画見直し"必要性" 首長アンケート
"東日本大震災から13年6カ月を前に、朝日新聞が全国の原発30キロ圏内156自治体の首長にアンケートを実施しました。その結果、約3割の首長が避難計画の見直しが「必要」または「どちらかと言えば必要」と回答しています。
この背景には、今年元日に発生した能登半島地震で避難ルートの寸断が相次いだことがあります。地震や津波などの自然災害と原発事故が同時に起きる「複合災害」への危機感が高まっているようです。
一方で、原子力規制委員会の山中伸介委員長は「指針の内容を見直す必要はない」と説明しており、避難場所や避難経路の確保は自治体の計画で対応するべきだとの見解を示しています。
この問題は福井県議会でも議論になっています。関西電力の使用済み核燃料の県外搬出計画の見直しを受け、県議からは「もう信用できない」との厳しい声が上がりました。特に40年超運転となる美浜原発3号機、高浜原発1、2号機については「止めよ」との要求も出ています。
自民党福井県議会の力野豊県議は、「約束がほごにされた」と批判。2023年末までに中間貯蔵施設の県外候補地を示せなければ3基を止めるとした関電の約束が守られなかったことへの不満を表明しました。
原発の安全性と地域住民の安全確保のバランスをどう取るか、避難計画の実効性をどう高めるか。これらの課題に対し、国、自治体、電力会社が協力して取り組むことが求められています。"