ノーボーダー・ニューズ/記事サムネイル

英国で移民問題めぐり対立激化

"英国中部サウスポートで7月29日、6~9歳の女児3人が殺害される痛ましい事件が発生しました。17歳の容疑者少年が逮捕されましたが、両親がルワンダ出身と報じられると、SNS上で「イスラム過激派」「不法移民」といった偽情報が拡散し、移民排斥を訴える暴動が各地で勃発しました。
これを受け、モスクや難民申請者の滞在ホテルが放火されるなど、暴力行為が相次ぎ、700人以上が逮捕される事態となりました。スターマー首相は極右勢力による暴動だとし、「ネット上で暴力を扇動することは犯罪だ」と非難しました。
一方、こうした極右の動きに対抗し、8月7日以降、4日連続で大規模な反対デモが行われました。「難民や移民は大歓迎だ」「極右を止めろ」などのスローガンを掲げ、首都ロンドンでは約5000人が参加するなど、全土で数万人規模のデモとなりました。
チャールズ国王は警察や救急隊員への謝意を表明し、国民の「相互尊重と理解」の重要性を強調しました。しかし、7月の総選挙でも争点となった移民問題をめぐり、英国社会の分断が浮き彫りとなっています。政府は警官を大量動員し、事態の沈静化に努めていますが、社会の調和回復への道のりは険しいものとなっています。"