ウクライナ、ロシア領へ越境攻撃
"ウクライナ軍が行ったロシア西部クルスク州への越境攻撃が、戦況に新たな展開をもたらしています。ウクライナ軍のシルスキー総司令官によると、攻撃開始から7日間で約1000平方キロメートルを制圧し、さらに40平方キロメートルを新たに制圧したとのことです。
英王立国際問題研究所のマリオン・メスマー博士は、この攻撃にはロシア軍の注意をそらし、交渉での優位性を確保する狙いがあると分析しています。一方で、ロシア軍の兵力優位や反撃の可能性など、ウクライナ側のリスクも指摘しています。
ウクライナ外務省は、制圧地域の占領意図はないと表明し、ロシアからの攻撃を防ぐための行動だと説明しています。ゼレンスキー大統領は、この作戦がウクライナの主導権を証明したと評価しています。
米国は、この越境攻撃への関与を否定しています。一方、ロシアは国連安全保障理事会の非公式会合で、西側諸国がこの攻撃を非難していないことを批判しました。
この越境攻撃は、ウクライナ軍の士気を高める効果が期待される一方、ロシアの反撃激化など新たな局面を生む可能性もあります。国際社会の反応が分かれる中、今後の戦況の推移が注目されます。"