政府、核融合発電の実用化を加速 2030年代実証へ
"政府が、次世代エネルギーとして期待される核融合発電の実用化に向けて、取り組みを加速させています。高市早苗科学技術担当相は19日の閣議後会見で、2030年代の発電実証を目指す方針を明らかにしました。これは、従来の「2050年ごろ」という目標から大幅な前倒しとなります。
核融合は、太陽の内部と似た反応で原子核の融合を起こすエネルギー生成方法です。実現すれば、燃料1グラムで石油8トンを燃やしたのと同等のエネルギーが得られるとされています。
この分野では国際競争が激化しており、米国のIT大手企業が相次いで投資を行っています。高市担当相は「各国が技術や人材の囲い込みを強めている。日本も負けるわけにはいかない」と述べ、日本の技術力や人材の強みを生かす考えを示しました。
一方で、文部科学省は核融合研究の促進に向けて、量子科学技術研究開発機構(QST)などの施設や設備を民間企業や大学が利用しやすくする方針を明らかにしました。産官学のオールジャパン体制を整え、施設と人材を最大限に活用することを目指しています。
しかし、核融合発電の実現への道のりは険しく、国際熱核融合実験炉(ITER)計画では実験開始の延期が繰り返されています。
政府は今後、国家戦略を改訂し、工程や安全規制のあり方も含めて見直しを行う方針です。"