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内閣官房機密費、4年連続で使い切り 年間約12億円

"内閣官房の機密費、正式名称を内閣官房報償費について、2019年度から2022年度までの4年間、毎年予算計上された約12億3千万円がほぼ全額使用されていたことが明らかになりました。この事実は、共同通信社が行った情報公開請求によって判明しました。
機密費は官房長官が出納を管理し、その使途は公表されません。国の重要な事務を円滑かつ効果的に遂行するための経費とされていますが、会計検査院の検査は受けるものの、支払先などは明らかにされず、国会のチェックも及びません。
開示された情報によると、4年間で国庫に返納された最大の金額は2021年度の約20万円にとどまり、ほぼ全額が使用されていたことが分かりました。この「機動的に使用する」とされる予算をほぼ全額消化する対応には、不必要な用途に使われているのではないかとの指摘も出ています。
さらに、この期間外に在任していた元官房長官が取材に応じ、機密費の使用実態の一端を明かしました。この元官房長官は、機密費が主に首相や官房長官の判断で支出を決定していたこと、さらに与党議員の選挙応援の際にも支出した経験があると証言しました。
この報道により、機密費の不透明さが改めて浮き彫りになりました。国の重要な業務遂行のための経費とされる機密費が、政治活動にも使用されていた可能性が指摘され、その使途や管理のあり方について、今後さらなる議論が必要となりそうです。
国民の税金を原資とする機密費の使途について、適切な管理と透明性の確保が求められる中、この問題は今後の政治や行政のあり方に一石を投じることになりそうです。"