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米主要AI企業、「人間並み」の新機能を発表 悪用懸念も

" 米国の主要AI企業であるオープンAI、グーグル、マイクロソフト(MS)が5月、新たなAIサービスを相次いで発表しました。人間とほぼ同じスピードで会話に応答したり、会議の進行役を務めたりする「人間並み」の機能を打ち出しています。
 オープンAIは、新たなAI基盤モデル「GPT-4o」を使い、利用者の状態を音声から推測してアドバイスする機能を披露しました。従来の3~5秒から、人間とほぼ同じ0.3秒での応答を可能にしています。グーグルも、AIがスマホの画面に映り込んだモノを説明したり、置き忘れた物の場所を教えたりする新機能を発表しました。MSは、AIが会議の進行役やプロジェクトマネジャーの役割を務める新機能を公表しています。
 一方で、悪用への懸念も広がっています。オープンAIの新機能は声色を様々に変えることができ、詐欺や偽情報の温床となる恐れがあります。実際に、米女優スカーレット・ヨハンソンさんに似たAIの音声が話題となり、ヨハンソンさんは法的措置を示唆しています。また、オープンAIで悪用防止などの安全対策チームを率いていたヤン・ライカ氏が退社し、経営陣を批判しました。
 AIが「人間並み」の能力を獲得する中、AIとどう向き合うかは手探りの状況が続いています。ライカ氏は「人間よりはるかに賢いAIをどう制御するか、早急に考えなければならない」と警鐘を鳴らしています。"