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世界初のAI国際条約が採択 欧州評議会主導

"人権保護などを目的とする国際機関、欧州評議会は17日、人工知能(AI)の使用に関する初の国際条約を採択しました。この条約は、AIの利用において人権保護や法の支配、民主主義の尊重を目的としており、日本も策定に関わっています。
 近年、「チャットGPT」に代表される生成AIの急速な普及に伴い、偽情報の拡散など民主主義や人権が脅かされる懸念が高まっています。こうした中、各国・地域や国際機関は対策を急ピッチで進めてきました。
 欧州評議会のペイチノビッチブリッチ事務局長は、「責任あるAIの利用を確実にする」ことが新条約の狙いだと述べています。条約は9月に署名が予定され、その後各国の批准を経て発効する見通しです。
 条約策定交渉は2022年に本格化し、日本も生成AIの国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」を推進する立場から、オブザーバーとして参加しました。米国やカナダなども同様に関与しています。
 今回採択された条約は、欧州諸国以外にも門戸が開かれており、今後加盟国が世界的に広がる可能性があります。AIの健全な発展と、人権や民主主義の保護を両立させるための国際的な取り組みとして、大きな意義を持つものと言えるでしょう。"