子どもの運動習慣、二極化が判明
"近年、日本の子どもたちの運動習慣が二極化する傾向が強まっています。総務省の社会生活基本調査によると、年に一度も運動遊びをしない子どもたちの割合が増加していることが明らかになりました。
調査結果によれば、10~14歳の子どもたちのうち、1996年には97.3%が年に一度でもスポーツをしていたのに対し、2021年には86.3%に減少しました。15~19歳の若者では、1986年の93.6%から2021年には76.8%に減少しています。この結果から、10代前半の約73万人、10代後半の約129万人が、授業以外でほぼスポーツをしない生活を送っていることが示されました。
また、スポーツの種目ごとの行動者率も減少傾向にあります。例えば、10~14歳では、野球の行動者率が1996年の40.2%から2021年には21.1%に、バスケットボールは28.6%から20.1%に減少しました。水泳に至っては、42.8%から27.9%と大幅に減少しています。15~19歳でも同様に、野球、水泳、バレーボールなどの行動者率が減少しています。
一方で、学習や自己啓発に取り組む子どもたちの割合は増加しています。10~14歳では、1996年の31.9%から2021年には55.6%と、学習活動の参加率が大幅に増加しました。特に外国語の学習が増加しており、10~14歳で20.8ポイント、15~19歳で14.7ポイント増加しています。また、プログラミングなどの情報処理活動に取り組む子どもたちも増えています。
総務省の担当者は、新型コロナウイルスの影響も考えられるが、スポーツよりも将来を見据えた学習や自己啓発に向かう子どもが増えている傾向があると述べています。
このような状況を受けて、運動習慣の推進が急務となっています。学校や地域社会が連携し、子どもたちが運動に親しむ機会を増やす取り組みが必要です。運動は子どもの健康と発達に不可欠であり、バランスの取れた成長を促すための対策が求められています。"