ピューリッツァー賞受賞者、AI活用の調査報道手法を明らかに
"2024年のピューリッツァー賞のジャーナリズム部門で、AIを活用した調査報道が注目を集めています。受賞作の中には、機械学習ツールを駆使して長年の取材を行った作品が含まれていました。
地元報道部門で受賞した『シカゴで行方不明』は、非営利ジャーナリズム組織のCityBureauとInvisibleInstituteが発行したシリーズ作品です。このシリーズは、行方不明または殺害された黒人女性の捜査に関するシカゴ市警察の失敗を暴露しました。取材では、「Judy」と呼ばれる機械学習ツールが活用され、数千件の警察不正行為ファイルを分析したとのことです。
一方、国際ジャーナリズム部門では、ニューヨーク・タイムズ紙がガザ戦争に関する記事でピューリッツァー賞を受賞しました。同紙は、イスラエルの兵器庫で最大の爆弾の一つである907kg爆弾によって残されたクレーターを特定できる装置を訓練。衛星画像を調査した結果、イスラエル軍がガザ南部、特に民間人にとって安全とマークされている地域に数百発の爆弾を投下していたことが明らかになりました。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者は、「本質的に強力なパターン認識機能を備えたAIツールが数多くある」と述べ、膨大な量の文書を調査する必要がある場合、AIアルゴリズムに支援を依頼できると説明しています。
今回のピューリッツァー賞では、AIの活用と現場取材が継ぎ目なくつながっている、ジャーナリズムの現在の姿が浮き彫りになりました。AIを効果的に使いこなすことで、これまで見えていなかった現実を明らかにする報道が可能になっているのです。"