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声優の「無断AIカバー」氾濫

"近年、人気声優や歌手の声を無断で使用した「AIカバー」が急増しています。AIカバーとは、生成AIで作成した声で既存の楽曲を歌わせたり、有名なセリフを言わせたりした作品のことです。関係者の許可なく作成された無断AIカバーは、アニメファンなどが好きなキャラクターの声で制作し、動画SNSで人気を集めています。
声そのものが商品である声優にとって、無断AIカバーは深刻な問題です。しかし、声を守るための法律がないことや、作品の関係者が多岐にわたること、関係者の間でも意見が割れていることなどから、対策は難航しているのが現状です。
法曹関係者によると、現行法の枠組みで声優の声を守るためには、著名人の持つ顧客吸引力を独占的に利用する権利である「パブリシティ権」が有力だとのことです。ただし、その適用範囲は限定的で、キャラクターの声や無名の一般人の声までは守れない可能性があります。
声優間でも無断AIカバーへの危機感に温度差があり、団結した対応が難しい状況です。一方で、声優本人が合意・協力して作った正規のAIツールの開発も進んでおり、ゲームキャラクターのセリフをリアルタイムで話すなどの新たな可能性が期待されています。
声のAIを適切に活用しつつ、無断利用から声優の声を守るための法整備やルール作りが急務となっています。"