ボクシング 井上戦でスポーツ賭博広告 消える
"5月6日、ボクシング世界チャンピオンの井上尚弥選手の試合が東京ドームで開催され、主催者発表で4万3千人の観衆が詰めかけました。
この試合では、世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦の王者・井上選手が、WBC同級1位で元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ選手(メキシコ)を、6回TKOで撃破する結果となりました。
この国民的行事とも呼べるビッグイベントを前に、スポーツ賭博広告の扱いについて、スポーツ界では様々な議論が交わされていました。
近年のプロボクシング興行では、スポーツの勝敗などに賭けることができるサイトを運営する業者の広告が何度も掲出されていましたが、今回のイベントではそうした広告は見られませんでした。これは、スポーツ界全体でスポーツ賭博広告の扱いを見直す動きが広がっていることの表れと言えるでしょう。
スポーツ庁は、日本ボクシングコミッション(JBC)に対し、スポーツ賭博を扱う業者によるスポンサーシップの現状について聞き取りを行いました。これは、スポーツ界のあり方について広く意見を集める中で行われたものです。
井上尚弥選手サイドも、今回のイベントでのスポーツ賭博広告の掲出については、独自の判断を下していたと関係者は明かしています。
かつて大企業の協賛を得ることが難しかったボクシング界ですが、この試合のリングには大企業のロゴが並びました。井上尚弥選手の人気と実力が、ボクシングに対する社会の関心を高めているのです。
日本スポーツ界を代表する存在になりつつある井上尚弥選手の陣営は、ボクシングのイメージ戦略にも積極的に取り組んでいます。JBCの関係者も「今後、ボクシング界のイメージ戦略を更に推進していく必要がある」と話しており、活況を呈す日本ボクシング界にとって、イメージ戦略は重要な課題となっています。
スポーツ賭博広告を巡る議論は、スポーツ界の健全な発展を目指す中で行われているものです。ボクシング界も、こうした議論に積極的に参加しながら、より一層のイメージアップと競技の普及に努めていくことが期待されます。"