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トヨタ「ルナクルーザー」、2032年月面へ

"NASAが主導するアルテミス計画において、日本の与圧式有人ローバーが月面に送られることが日米両政府によって約束されました。このローバーは、トヨタ社とJAXAが開発する「ルナクルーザー」で、早ければ2032年に打ち上げられる予定です。実現すれば、与圧式ローバーとしては史上初の運用となります。
一方、NASAは4月3日、月面探査で使用する有人月面ローバーの開発業者も選定しました。選ばれたのは在米の3事業者で、宇宙開発企業のほか大手自動車メーカーも参加しています。これらのローバーは2030年の有人ミッション、アルテミスVでの使用が予定されています。
NASAは最大46億ドル(約7130億円)の予算を投じ、民間企業の宇宙機材ビジネスを支援します。選定された事業者は1年間をかけてローバーの予備設計を行い、最終的に1社が選ばれます。
また、4月10日には、「与圧ローバによる月面探査に関する実施取決め」が日米間で署名されました。これによって、ルナクルーザーが月の南極に送り込まれることが確実視されています。現在のスケジュールでは、2032年のアルテミスVIIでの使用が予定されています。
取決めでは、日本がルナクルーザーを提供する代わりに、日本人宇宙飛行士2名の月面活動機会が約束されました。つまり、ルナクルーザー初号機には日本人宇宙飛行士が搭乗する可能性が高いのです。
ルナクルーザーは完全密閉型の与圧式ローバーで、トヨタのFCEV技術が活かされています。月の南極には「水の氷」があり、これを利用することで月面への長期滞在や資源活用の可能性が高まります。人類初の壮大な目的を果たすべく、これらの探査ローバーが大きな役割を担うことになるでしょう。"