OpenAIのCEOサム・アルトマン、新興企業向けファンドの所有権を譲渡
"OpenAIのCEOサム・アルトマンは、同社の投資ファンド「Startup Fund」の所有権を手放したと報じられました。アルトマンは、マイクロソフトの支援を受けるOpenAIのこのファンドを個人で所有・管理し、AI関連のスタートアップに投資していましたが、異例かつ物議を醸したその所有に終止符を打ったことになります。
Startup Fundは2021年に設立され、「世界に深くポジティブな影響を与えるAI企業」を支援することを目標としており、特に恵まれない層の出身の起業家が立ち上げたヘルスケアや科学、法律、教育、エネルギーといった分野のアーリーステージのスタートアップを支援すると述べていました。
PitchBookのデータによると、同ファンドは昨年1億7500万ドル(約265億円)の投資を報告し、17の取引で少なくとも13社を支援。投資先には、リーガルテックのHarvey、音声編集プラットフォームのDescript、AIを活用した医療書記のスタートアップのAmbience Healthcareなどが含まれています。
その他、語学学習アプリのSpeak、AIで教師を支援するツールのClass Companion、セールスソフトウェアのUnify、ロボット企業の1X、自動運転ソフトウェアのGhost Autonomyなどにも投資しています。
OpenAIによると、同ファンドは現在、立ち上げ当初から運用に携わってきたイアン・ハサウェイが管理しているとのこと。Startup Fundは3月下旬にSECに提出した報告書で総資産額を3億2500万ドルとしており、マイクロソフトを含む投資家から1億7500万ドルを調達していましたが、OpenAIはこのファンドに投資していないそうです。
アルトマン氏の所有権譲渡により、Startup Fundの運営体制がどのように変わるのか注目が集まります。同ファンドが支援するAIスタートアップの動向も引き続き注視していく必要がありそうです。"