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国連総会、人工知能に関する初の決議を全会一致で採択

"国連で採択されました。
国連総会は3月21日、人工知能(AI)のリスク監視や個人データの保護などに関する決議案を全会一致で採択しました。これは、AIに関する国連総会初の決議となります。

アメリカが提案し、中国を含む121カ国が共同提案国に加わったこの決議には法的拘束力はありませんが、「AIシステムの不適切または悪意ある設計、開発、展開、使用は人権や基本的自由の保護、促進、享受を損なうリスクを招く恐れがある」と指摘しています。

アメリカ当局者は、この決議を「AIに関する史上初の真の世界的なコンセンサス文書」と評価し、「目まぐるしく変化するテクノロジーという波立つ水面を航海する中、われわれの価値観に基づき舵を切ることがこれまで以上に重要となっている」と述べました。また、別の当局者は「この決議は開発の促進と人権保護の継続における適切なバランスを取っていると確信している」と語っています。

採択に向けた交渉では、ロシアや中国などから抵抗があったのではないかという質問に対し、当局者らは「多くの白熱した会話があったが、中国やロシア、キューバなど、多くの場合に見解が異なる加盟国と積極的に関与した」と応じました。

AIの急速な発展に伴い、その利点と潜在的なリスクに対する国際社会の関心が高まっています。今回の国連総会決議は、AIの健全な発展と人権保護のバランスを取ることの重要性を示す一歩となるでしょう。今後、各国政府や企業がAIの開発と利用において、この決議の精神を尊重していくことが期待されます。"