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JOC、主将の制度を見直し

"以前から課題とされていました。
日本オリンピック委員会(JOC)は、2024年夏に開催されるパリオリンピックで、日本選手団の主将を置かない方針を明らかにしました。これは、選手の負担軽減を目的としており、日本が初めてオリンピックに参加した1952年ヘルシンキ大会以来、夏季オリンピックで主将が設置されない初のケースとなります​​​​。

近年、国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の旗手を男女各1人ずつ選出するよう各国に要請していますが、主将については具体的な規定を設けていません。JOCは伝統的に選手団の主将を選出してきましたが、重圧や大会前の行事への参加が選手にとって大きな負担となっており、その見直しが求められていました。実際に、昨年の杭州アジア大会では主将を置かない編成を試験的に採用しています。

主将の役割には、開会式前の結団式での決意表明などが含まれますが、近年では金メダルを獲得した主将が現れることは少なくなっています。1992年バルセロナ大会の柔道男子・古賀稔彦以来、夏季大会で金メダルを獲得した主将はいません。このような状況を受け、JOCは選手の心理的、物理的負担を考慮し、パリオリンピックでは主将の概念を見直す方針を固めました。

この変更により、JOCは選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることを目指しています。今後、オリンピックの伝統と選手の健康・パフォーマンスのバランスをどのように取っていくかが注目されます。"