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母子手帳 デジタル化へ

"2024年度から、日本政府は母子健康手帳のデジタル化を加速させる計画を発表しました。この新たな取り組みは、妊娠中の女性や乳幼児の保護者が直面する手続きの負担を軽減し、より効率的な健康管理を可能にすることを目的としています。

母子手帳アプリを通じて、妊娠中の健診や乳幼児の予防接種などの記録をスマートフォンで簡単に管理できるようになります。このデジタル化された手帳は、マイナポータルと連携し、健診結果や接種記録が自動でアプリに反映される仕組みです。これにより、保護者は紙の手帳を持ち歩く手間を省き、いつでもどこでも子どもの健康情報にアクセスできるようになります。

このデジタル化の背景には、災害時の医療情報の紛失防止や、ICTの進展を活用した効率的な健康管理の需要があります。東日本大震災をはじめとする災害時における母子手帳の紛失は、医療現場での混乱を招きました。デジタル化による情報のクラウド保存は、こうした問題を解決し、災害時でも迅速に必要な医療情報を提供できる体制を整えることを目指しています。

また、母子健康手帳データ化推進協議会は、医療、看護、保育、教育など様々な分野の専門家が集い、デジタル化を通じて子どものケアを一層向上させることに貢献しています。デジタル化された母子手帳は、健康面での予防やケア、福祉面での支援、防災面での迅速な対応、さらには国際面でのサポートを可能にし、子どもたちの健康と成長を支える貴重なツールとなります。

この新しいシステムは、2026年度以降の全国展開を目指しています。母子手帳のデジタル化は、単に紙の手帳を電子化するだけでなく、健康管理の質を向上させ、保護者にとっても医療提供者にとっても利便性の高いサービスを提供することを目的としています。保護者からのフィードバックや技術的な進歩を踏まえながら、より使いやすく、安全なデジタル母子手帳の開発に向けた取り組みが続けられています。

デジタル化の進展は、社会のあらゆる面で新しい可能性を開きます。母子手帳のデジタル化は、その一例として、子育て支援の新たな地平を切り開くものと期待されています。"