国内データセンターのAI向け電力需要、3年後に1.5倍に
"IT専門調査会社IDC Japan株式会社が2024年1月22日に発表した報告によると、2027年末時点での国内データセンターにおけるAIサーバー向け電力キャパシティは、2024年末の約1.5倍になると予測されています。この推計は、AIサーバー導入に関する「積極投資」のシナリオを基にしており、AIサーバー向けのデータセンター電力が2024年末から2027年末にかけて約1.5倍増加すると見込まれています。
AIサーバーは1台あたりの消費電力と発熱量が大きいため、従来のデータセンター冷却システムでは対応が困難であるとされています。2027年末の国内データセンターに配備されるAIサーバー環境は、すべて超高密度環境（サーバーラックあたりの電力が20キロワットを超える環境）になり、新たな冷却技術、特に液冷方式の導入が進む可能性が高まっています。
IDC JapanのSoftware Servicesリサーチマネージャー、伊藤氏は、実際のAIサーバー環境が、同一データセンター内の通常密度環境と混在して設置される可能性があり、データセンター運用の複雑化が予想されると分析しています。これにより、キャパシティ計画などの効率化と確実性の強化が求められるとしています。
この予測により、国内データセンター市場において、AIワークロードの増加が電力および冷却システムに与える影響が重要な課題となります。ユーザー企業はAIサーバーの導入に伴うリソース管理や運用の効率化に対して、より一層の注意を払う必要があるでしょう。また、このような増加傾向は、再生可能エネルギー源の利用やエネルギー効率の向上に対する要求も高めています。"
