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JAXAの探査機SLIM、月周回軌道に成功:1月20日に月面着陸へ

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2023年12月25日に小型月着陸実証機(SLIM)を月周回軌道に投入することに成功しました。SLIMは、周期約6.4時間の楕円軌道に位置し、月に最も近いところ(近月点)では高度約600km、月から最も遠いところ(遠月点)では高度約4,000kmです。この軌道変更は、探査機の状態が正常であることを示しており、所定の計画通りに進んでいます。

今後の計画では、2024年1月中旬までに遠月点を低下させ、高度約600kmの円軌道に軌道を調整します。その後、近月点を降下させ、着陸開始の準備に取り掛かります。具体的には、1月19日に近月点を高度15kmまで低下させた後、1月20日午前0:00頃(日本標準時)に着陸降下を開始し、同0:20頃(日本標準時)に月面に着陸する予定です。

SLIMは、月面へのピンポイント着陸技術を実証するために開発された探査機です。この技術は、将来の月面探査や、月面での資源探査、さらには他の惑星への着陸ミッションにおいても重要な役割を果たすことが期待されています。SLIMの成功は、日本の宇宙探査技術の進展を示す重要なステップとなります。

SLIMは、JAXAのX線分光撮像衛星「XRISM」とともに「H-IIA」ロケット47号機に相乗りする形で、2023年9月7日に種子島宇宙センターから打ち上げられました。この探査機の打ち上げと月周回軌道への投入成功は、日本が宇宙探査において大きな一歩を踏み出したことを示しています。

SLIMの月面着陸に成功すれば、日本は月面着陸を果たした国々の仲間入りをすることになります。これは、日本の宇宙技術や探査能力の向上に大きく貢献し、国際的な宇宙探査における日本の役割を一層強化することになるでしょう。また、SLIMのミッションは、月面の詳細な地形や地質のデータを収集することで、月の起源や進化の理解を深めることにも寄与すると期待されています。

SLIMの月面着陸は、科学的な発見はもちろん、宇宙探査の新たな時代を象徴する出来事となる可能性があります。今後の月面探査や宇宙探査の展開において、SLIMが果たす役割は極めて重要であり、その成功に向けたJAXAの努力は世界中の注目を集めています。