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「2つの夢」をかなえた車いすテニス、小田凱人選手が凱旋会見。「まだ始まったばかり」

6月6日から10日までパリのローランギャロスで全仏オープン車いすテニス部門が行われ、最終日の男子シングルス決勝戦で世界ランキング2位の17歳、小田凱人(ときと)選手(東海理化)が同1位のアルフィー・ヒューエット選手(イギリス)を6-1、6-4で破り、グランドスラム(4大大会)初優勝を飾りました。

この勝利を17歳1カ月2日)で達成した小田選手は、これまでヒューエット選手が持っていた、この種目のグランドスラム最年少優勝記録(19歳6カ月4日)を大幅に更新。また、12日に発表された世界ランキングでは自身初の1位となり、同じくヒューエット選手が持っていた最年少世界ランキング1位記録(20歳1カ月/2018年1月に記録)も塗り替えました。

2006年に愛知県一宮市で生まれた小田選手はサッカー少年だった小学校3年のとき、骨肉腫を発症して手術し、車いす生活に。入院中に動画サイトで見た2012年ロンドン・パラリンピック決勝で金メダルを獲得する国枝慎吾選手の姿によって車いすテニスの魅力を知り、始めました。左利きで、175㎝の長身から繰り出されるパワーショットとコートを縦横無尽に走り回る豊富な運動量を武器にしています。

2020年には18歳以下の世界一決定戦「世界Jr.マスターズ」に14歳で出場し単複二冠を達成。2022年4月28日には車いすテニス国内最年少記録(15歳11カ月20日)でプロ転向を宣言。6月にはグランドスラムデビュー戦となった全仏オープンで4強入りを果たし、11月にはNECマスターズ(オランダ)で史上最年少優勝を果たすなど、数々の偉業をすでに達成してきました。