福島原発南相馬訴訟で東電に賠償命令 国の責任否定
再び国の責任を否定しました。
東京電力福島第1原発から20キロ圏内にある、福島県南相馬(みなみそうま)市小高(おだか)地区の住民587人が、国と東京電力に損害賠償を求めた訴訟で、福島地裁はきのう、東京電力におよそ15億2900万円の支払いを命じました。
国の責任は否定しました。
裁判所は、巨大地震の可能性を示した「長期評価」について、国が防災対策に活用しなかったことについて「先送りせず真摯に検討すべきだった」と指摘しました。
しかし「東京電力が対策を取っていたとしても事故が発生した可能性が相当にある」として、国の責任を否定しました。
最高裁判所は昨年6月、原発事故避難者が起こした集団訴訟では「東電に安全対策を命じても事故は防げなかった可能性が高い」として、国の責任を認めない判断を示しています。