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森友文書改ざん 賠償訴訟終結 国が請求認める

真相解明の機会がなくなりました。
森友学園問題に関する財務省の決済文書の改ざんで、2018年に自殺した、近畿財務局の元職員、赤木俊夫(あかぎ・としお)さんの妻の雅子(まさこ)さんが、国などに損害賠償を求めた訴訟の進行協議がきのう、大阪地方裁判所で行われました。
国は妻の請求を受け入れ、訴訟は終結しました。
赤木さんは、上司から改ざんの指示を受け、業務の負担が増したことで、自殺に追い込まれました。
鈴木俊一財務大臣は、財務省内で会見を開き、「精神面、肉体面で赤木さんに過剰な負荷が継続し、自死に至ったことについて、国の責任は明らか」としたうえで、「いたずらに訴訟を長引かせるのは適切でなく、決裁文書の改ざんという行為の重大性にかんがみ、認諾(にんだく)する」と原告側に書面で伝えました。
国側は今後、請求額の1億700万円を支払います。
しかしこれにより、誰が改ざんを指示したのかなどの具体的な経緯を、この裁判で明らかにすることは不可能になりました。
雅子さんは会見で、「夫がなぜ死んだのかを知りたいための裁判だった。お金を払えば済む問題ではない」と憤りを語り、財務大臣に抗議文を送る考えを示しました。