「黒い雨」訴訟 2審も原告を被爆者に認定
広島に原子爆弾が投下された直後に降った放射性物質を含む雨、いわゆる「黒い雨」により健康被害を受けたとして、広島市内の住民ら84人が、広島県と広島市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の控訴審判決がきのう広島高等裁判所であり、西井和徒裁判長は原告全員を被爆者と認め、手帳の交付を命じた一審判決を支持し、県などの控訴を棄却しました。
国は「黒い雨」が1時間以上降り続いたとされる「大雨地域」を「援護の特例区域」に指定し、がんなどの特定の病気になった場合のみ特別に「被爆者」と認めて、医療費が無料になる被爆者健康手帳を交付してきました。
原告らは、特例区域のさらに外側にいたため、手帳を交付されていませんでした。
高等裁判所は、特例区域の外にいた場合も、雨により健康被害が生じる可能性があれば、被爆者だと判断しました。
国は今後、援護の対象となる区域の見直しを迫られそうです。