SJJA&WSJPOの【西サハラ最新情報】121 ラストコロニー イン アフリカ (平田伊都子)
2015年5月19日から22日にかけて、中南米にあるニカラグアの首都マナグアで<国連脱植民化国際会議>が開かれました。
<国連第24特別委員会>とも呼ばれるこの会議では、1960年の<国連植民地独立付与宣言>に基づいて、世界から植民地をなくそうと努力を続けています。 現在、国連が植民地に規定している地域は世界で17か所あります。
その地域の住民が独立を希望すれば、国連はその独立運動を助けることになってます。 アフリカに残った最後の植民地西サハラに関して、国連は住民投票によって独立の是非を問うよう関係諸国に働きかけ続けています。
しかし、、24年間もズルズルやってんですよ! 以下、<国連第24特別委員会>の動きを中心に西サハラ最新情報をお報せします。
(1)2015年5月18日、<ラストコロニー西サハラ>、難民キャンプに登場:
アルジェリアの西サハラ難民キャンプで、拙著<ラストコロニー西サハラ>が紹介された。「本の第4章には、元内閣総理大臣・鳩山由紀夫氏や元参議院議長・江田五月氏や社民党副党首・福島瑞穂氏や共産党衆議院議員・笠井亮氏や・維新の党衆議院議員・柿澤未途氏などのメッセージと、国連事務総長個人特使クリストファー・ロス氏のコメントが載っている」と、SPS(サハラ・プレス・サービス)は写真入りで報道した。
記事は、アラビア語、スペイン語、英語、ロシア語、フランス語に翻訳され、難民キャンプ、モロッコ占領地西サハラ、アルジェリア、アフリカ各地、中南米、欧米などに出回っている。勿論、モロッコもモニターをしている。
(2)2015年5月19日(CORCAS発)国連に非協力なアルジェリアと西サハラ?
2012年5月17日以来、モロッコは国連が主催する西サハラとの交渉を拒否してきた。ところが、国連安保理が<国連による両当事者の交渉>を支持する決議を採択してから、風向きが変わって、「国連交渉を妨害しているのはアルジェリアと西サハラ難民政府だ」と、CORCAS王立サハラ問題諮問委員会(西サハラのモロッコ占領当局)が言い出した??国連と国際社会による<モロッコ占領>非難をかわそうとする、巧妙でその場限りの言い逃れに過ぎない。が、この際は、モロッコの言い分を逆用し、一気に<両当事者交渉の場>までもっていくのが得策かも、、まずはモロッコを話し合いの場に着けることが先決だ、
(3)5月21日(CORCAS発)モロッコが脱植民地化委員会を傍聴:
「コルカスCORCASは、国連第24脱植民地化委員会に対して、モロッコが提案する地方自治は住民の民族自決権を十二分に満たす脱植民地策だと提案した」と、委員会傍聴席からモロッコ占領当局はモロッコの植民地政策を擁護した。モロッコは国連第24脱植民地化委員会にオブザーバー参加をしていた。
国連第24委員会のメンバー国は、アンティグア・バーブーダ、ボリビア、チリ、中国、コートジボワール、キューバ、ドミニカ、エクアドル、エチオピア、ロシア連合、フィジー、グラナダ、インド、インドネシア、イラン、マリ、ニカラガ、パプアニューギニア、コンゴ共和国、タンザニア、セントクリストファーネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディ−ン、シェラレオネ、シリア、東チモール、チュニジア、ベネズエラなどだ。
(4)5月22日、脱植民地化会議の決議:
ニカラグアのマナグアで開かれていた国連第24脱植民地化委員会は、5月22日、モロッコによるモロッコ占領下での自治州案を否決し、国連が約束した<自由で透明な住民投票>という西サハラ脱植民地政策を、一日も早く実施することを促した。
そして、第24委員会メンバー国は西サハラ問題に関して、1960年の1514脱植民地化決議を適応するよう、国連に進言し国連の責任を問いただした。
ニカラグアの国連第24脱植民地化委員会に特別参加し、国連西サハラ住民投票を待ち続ける西サハラ住民の独立への熱い願いを伝えたのは、モハンマド・ベイサット西サハラ難民政府全権大使です。 彼は2011年5月に来日し、石巻の震災避難民と握手を交わした西サハラ難民代表です。
ベイサットに会いたい方は、拙著「ラストコロニー西サハラ」の第4章6項を開いてみてください。
文:平田伊都子 ジャーナリスト、 写真:川名生十 カメラマン