アルジェリアはOK、モロッコはNO
アルジェリアを誘って西サハラを山分けしようとする<1975年の夢>を、もう一度と企んだモロッコのもくろみはもろくも崩れました。
<1975年の夢>とは、今から40年前にモーリタニアを誘い当時の西サハラ植民地支配国スペインを騙して、西サハラを二等分した仇夢をさします。
その時以来、西サハラを追われた西サハラ住民は、祖国の独立と帰還を目指して難民キャンプで苦難の生活を送っています。
国連が国連西サハラ住民投票を提案して、西サハラの和平交渉を進めようとしているのですが、モロッコが嫌がってるんですよね!
クリストファー・ロス国連事務総長個人特使は現地に入り、必死になってモロッコの説得に当たっているんですが……。
(1)モロッコの冷遇:
2015年2月12日にロス国連事務総長個人特使は、モロッコの首都ラバトを訪れた。が、「地域ツアーの一環としてモロッコに来ただけだ」と、迎えたのは外務大臣だけ。「モロッコが国連事務総長個人特使に協力するのは、1月22日にモハンマド六世国王陛下が事務総長に電話で伝えた<サハラはモロッコの領有地>という認識の範囲だ」と、ロスの使命は無視され、ガキの使いの様に冷たくあしらわれた。
(2)西サハラの悲願:
2015年2月15日にロス国連事務総長個人特使は、アルジェリアのティンドゥフにある西サハラ難民キャンプを訪れた。西サハラ難民政府の要人や西サハラ国連交渉団から大歓迎を受け、改めて西サハラ難民や西サハラ被占領民がどんなに国連の平和解決を願っているかを知らされた。
西サハラ国連交渉団長ハトリ・アッドウは「もはや我々としても、放置されたままの状況に、これ以上耐えることはできない。西サハラ人と西サハラ政府に対するモロッコの迫害を、そして、モロッコの不法な西サハラ占領を、止めさせるべきだ。国連解決を不当に遅らせているモロッコに圧力かけ、国連主導による和平交渉を再開させて欲しい」と、国連事務総長個人特使ロスに訴えた。
(3)アルジェリアの歓迎:
2015年2月22日、ロス国連事務総長個人特使をアルジェリア大統領ブーテフリカは、病をおして自ら暖かく迎えた。1975年にモロッコ軍が追い出した西サハラ難民をアルジェリアに迎え入れたのはブーテフリカその人、当時の外務大臣なのだ。それ以来40年間、アルジェリアは西サハラ難民を物資援助し、西サハラ難民の民族自決権を支持してきた。アルジェリアを誘って西サハラを二分割することに失敗したモロッコは、アルジェリアが西サハラ難民政府と共謀して支援物資をネコババしているというデマを流している?信じれます??
(4)EUの応援:
EU外交安全担当官フェデリカ・モゲリニは、「EUは、国連が西サハラ民族自決権を承認していることを支持する。その民族自決権の行使に向けて、国連が正当で永続的な解決を目指して努力していることも支援する」と表明した。さらに彼女は、モロッコとポリサリオ西サハラ政府との両当事者に、「ロス国連事務総長個人特使が指導する和平交渉に協力するように」と、呼びかけた。
国連の和平交渉も無視し、EUの交渉呼びかけにも耳を貸さず、モロッコはひたすら西サハラ植民地のモロッコ化を進めている。
国連決議や国際司法裁判所が「西サハラはモロッコの領土ではない」と、明確に宣告しているにも拘らず、西サハラ住民を無視して西サハラの開発を強行し、モロッコ人入植者を送り込んでいる。
最近は西サハラ住民の抗議運動が激しくなってきた首都ラユーンを避け、600キロメートル離れたダハラ港に拠点を移したようだ。
ダハラにトマト農場を作った。農場主は勿論、モロッコ王を頭に戴くモロッコ王族だ。
ダハラ港には密漁された大西洋クロマグロが水揚げされている。
なんと、2月9日には、ダハラとハワイはホノルルとの間で、姉妹都市協定が結ばれたんですよ!今年の11月25日から12月1日まで、モハンマド六世国王陛下がハワイにお越しになられるそうです。
国王陛下のフラダンスが楽しみですね!!
(平田伊都子/文と写真提供)<t>
写真:左がロス国連事務総長個人特使、右がアルジェリア・ブーテフリカ大統領