イスラム国が日本政府を敵対視 安倍首相はテロに屈しない姿勢を強調【日本人人質事件】
イスラム国に2人の日本人が拘束され、日本政府に対し72時間以内に2億ドルの身代金を支払わなければ2人を殺害すると脅迫する映像がYouTubeに公開された。
拘束されたのはジャーナリストの後藤健二さんと、昨年イスラム国に拘束されたと伝えられていた民間軍事会社の湯川遥菜さんとみられる。
安倍首相の中東歴訪に合わせたタイミングでの犯行で、首相が先日カイロでイスラム国への対策として2億ドルの支援を表明したことを受け、「自ら進んで十字軍への参加を志願した」とし、同じ金額を身代金として要求してきた。
20日の「ニューズ・オプエド」に出演した元・在シリア特命全権大使の国枝昌樹氏は「2億ドルを支払うというのは不可能。日本はイスラム国からアメリカと同じレベルに認識されている」とコメントしている。
今回の事件を受けて、安倍首相は事実関係の確認を急ぐとともに、関係各国とも協力し、人命第一に対応することを指示した。
また、首相の中東外遊に同行していた中山外務副大臣をヨルダンのアンマンに派遣し、現地で指揮を執ることや、総理官邸に官邸対策室、外務省に緊急対策本部をそれぞれ設置するなどの対応をとっている。
首相は訪問先での内外記者会見で「卑劣なテロは、いかなる理由でも許されない。断固として批難します」と述べたうえで、2億ドルの支援については「避難民となっている方々にとって最も必要としている支援だ」として、あくまで非軍事分野における人道的な支援であると強調した。
一方で、今月末に開会される通常国会において、集団的自衛権の憲法解釈変更の閣議決定に基づき、安全保障関連法案を速やかに成立させる方針に変わりがないことを明らかにしている。
海外メディアからは身代金を支払う可能性についての質問が相次いだが、明言を避けている。
(DAILY NOBORDER編集部)
写真:「政府インターネットテレビ」より