単純化しすぎイスラム過激派テロの反応
パリで起きたイスラム過激派一派の仕業と見られるテロについて、報道やコメントに違和感を覚えてしまいます。
新聞社や警察官を襲った残虐な行為を批判する一方で、他のイスラム教徒に対する偏見につながらないことを願う、などと言っています。それは当たり前のことですが、なぜこのようなテロが起きてしまうのか、そこはまるで触れず。薄っぺらい偽善的な報じ方のように感じてしまう……、というのは言い過ぎでしょうか。
テロや紛争の背景は宗教問題だけで語れるものではないと思います。
そこには貧困があり、格差があり、利権の争奪戦がある。もともとイスラムの世界に手を突っ込んで利益を漁ろうとした欧米の横暴がそこに大きな影を落としている。これらもむろんわかり切った話、だとは思います。が、そこをしっかり分析しようとしないことが問題のように感じます。
(森功)<t>
PHOTO by Yukiko Nishiya