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自民党は改憲草案で拷問容認へ 「ニューズ・オプエド」選挙特番の視聴者が指摘

 14日「ニューズ・オプエド」の選挙特番では相当意識の高い質問が幾つも寄せられた。その中で自民党が改憲草案で“拷問を認めているが?”との質問があったので付記しておく。

 

 この質問はアメリカ上院の委員会が出したCIAの「テロ容疑者への拷問」報告に関し、“自民党が憲法改正草案で拷問を認めているが、どう思うか?”というものだった。

 番組の中では「自民党の改憲案は国民個人が主体でなく国家という得体の知れないものが国民の上にたつようになっており、(そのまま改正されれば)国連拷問条約に違反する」、などとお答えした。

 

*この視聴者の質問は、現憲法の特に36条が「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」となっているのに対し、自民党の改憲草案は「(拷問及び残虐な刑罰の禁止)公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する」と“絶対に”が削除されていることを指摘している。

 

 視聴者の指摘通り、憲法学者の間では“絶対に禁ずる”のでなければ、拷問の可能性があると解釈することは可能、との説が一般的だ。

 

*憲法学者の中では更に、36条の解釈では、現憲法の12条と13条に関して自民党改憲案がいう「公益及び公共の秩序」で拷問が起き得る危険性を指摘する。

 

 現憲法12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。また国民はこれを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」という。

 

 これを自民党の改憲案12条(国民の責務)は「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公共の秩序に反してはならない」と変え、更に現憲法13条が謳う「常に公共の福祉のためにこれ利用する責務を負う」との個所を、自民党改憲案13条(人としての尊重など)は「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公共の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で最大限に尊重されなければならない」と加えている点を挙げ、“自民党改憲案は36条で拷問の禁止が絶対的でなくしておき、公益及び公共の秩序が勝れば拷問され得る、としているのが本音だ”、と指摘する。

 

 このように自民党改憲案は注意して現憲法との違いを読んでいくと、普遍的な価値観を軽視するように、世界の潮流に逆行するような案になっている。

 

 一方、国連は「拷問およびその他の残酷な、非人間的な、或いは品位を傷つける扱いや刑罰の禁止を定める条約」、略称「拷問禁止条約」(Convention against Torture and Other Cruel, Inhuman or Degrading Treatment or Punishment)を採択し、1987年6月26日発効している。

日本は12年も遅れて1999年6月29日に加入、7月29日に発効している。

 

 自民党改憲案が現実のものとなれば、当然、この国際条約に反することになり、国際的な論議を巻き起こすことは必至だ。

 安倍・自民党は今回の選挙で、幾つもの重要な問題と共に、この改憲案も口に出さなかった。

 また主要テレビ局は、こうした諸問題があることをきちんと伝えず、安倍・自民党は圧勝した。

 

 マスコミが頼りにならない以上、一人でも多くの読者が、現憲法と自民党改憲案を比較されることをお薦めしたい。

 

(大貫康雄)

画像:ニューズ・オプエドより