【香港占拠行動】2か月半に及んだ占拠行動、終息へ
最大占拠地だった金鐘(アドミラルティ)。2か月半に及んだ占拠行動が事実上、終息に向かっています。
12日の地元紙「明報」より。金鐘での逮捕者は249人。そのうち立法法議員は15人。現職の立法会議員の逮捕者数としては過去最高です。
12日の「東方日報」には大きく「セントラル占拠の黒幕を一網打尽」と書かれています。
11日は朝から撤去される「最後の日」ということで多くの人たちが現場に来ていました。地元の民主団体はもちろん、世界各国から報道陣、そして観光客の人たち……。
前夜から占拠地に居て夜を明かした人たちは、寝ていたり横になっていたり、最終日を迎える緊迫感とは程遠く、いつも見る占拠地の光景です。
そんななか、報道陣に囲まれて記者会見をしていたのが、民主党元主席であり占拠行動の発起人を陰でバックアップしていた李柱銘(マーチン・リー)氏。
「りんご日報」の黎智英(ジミー・ライ)氏から献金を受け取り、陳方安生(アンソン・チャン)元政務長官とともにアメリカやイギリスへロビー活動をたびたび行っています。表舞台に出ることは滅多にありません。
この日、全面撤去ということもあり会見では言葉少なく「暴徒化を防ぐために最後まで見守る」と話していました。
近くで報道陣に向かって訴えていたのは、香港専上学生連会(学連)の周永康(アレックス・チョウ)秘書長。記者団に対し、「我々の目標(真の普通選挙)はまだ達成されていないが、今回の占拠行動で多くの人が動いてくれた。政府に圧力を大きくかけられたと思っている。我々は実現するまであきらめない。他の形で実行していく」と、話しました。
同じころ、中環(セントラル)では徐々に撤去作業が開始されていました。
この日の朝、過激派民主団体のリーダーが、すでに自宅で逮捕されていたということもあり、大きな衝突もなく作業が続きました。
午後には、金鐘駅の一部の出口は通行止め。占拠地付近は警察隊が多く、至る所にテープが張られ関係者以外立ち入り禁止状態でした。結局、完全撤去作業は午後9時までかかりました。
ただ、今回の撤去作業はあくまでも金鐘(アドミラルティ)のみ。香港島の繁華街の一つ、銅鑼湾(コーズウェイベイ)が残されています。
11日の金鐘での作業中、バスの中で休息をとっていた警察官が突然倒れ意識不明の重体になり、病院に運ばれました。今も危篤状態が続いており、梁振英・行政長官も病院に駆けつけています。
銅鑼湾はまだ強制排除が決まっていません。予断を許さない状況が続きます。
(楢橋里彩/文と写真)<t>