【香港占拠行動】警察隊とデモ隊のにらみ合い続く
占拠地では11月18日から裁判所の臨時禁止令に基づくバリケード撤去が始まっています。
30日には、香港専上学生連会(学連)と学民思潮による、夜、最大規模の占拠地、金鐘(アドミラルティ)で集会が開かれました。そして学民思潮は特区政府本庁舎の包囲を正式に開始すると宣言しました。
この日は久々に、占拠地に人が増えていました。
夜になると最近冷え込みが出てきた香港。
それでもテント生活をして占拠している人はまだいます。
9月末から起きている占拠行動。いよいよクリスマスシーズンに突入です。
占拠現場を歩いていると、この日はマスク、ヘルメットにゴーグルが目立ちました。
というのも、学生団体のひとつ、学民思潮がソーシャルネットを通し、この日の集会では参加者は傘、ゴーグル、ヘルメットを装備するよう指示していたからです。
なんだかエスカレートする予感・・・。
中信大厦という建物前に行くと、バリケードを作り、装備したデモ隊らと警察隊のにらみ合いが続いていました。
しばらく互いに無言で言い合いもなく・・・重々しい時間だけが過ぎていきます。
警察隊との距離が近いようで遠い・・・こうした、やりとりをこれまでどれほど重ねてきたことか。
動いたのは警察隊の方でした。午後11時45分。
青強いライトをデモ隊に当て、解散するよう強い口調で呼びかけました。
それに対してデモ隊たちが反撃します。
ただ、警察隊が何かを話すときに、野次を飛ばすデモ隊は殆どおらず、むしろそういう人がいたら「シーッ!!静かに話を聞こう!」と周りのデモ隊をなだめる光景があちこちで見られました。
むしろ躍起になっていたのは警察隊の方だったかもしれません。
ちょうどその頃、警察隊のいる向こう側ではデモ隊が道路を占拠しようと流血の大乱闘が起きていたようです。
デモ隊の男性が一人バリケードから出てきて、「特区政府本庁舎の包囲を正式に開始する、私たちはあきらめない」と警察隊に訴えます。
この日は、政府本庁舎周辺では朝7時まで衝突が続き、翌朝、職員は午前の出勤は中止。結局この衝突により40人近くが逮捕されました。
翌日の同じ現場。
バリケードが破壊され、警察とデモ隊の対峙していた場所は開通していました。
裁判所は12月1日、金鐘の幹線道路の一部についてバス会社による臨時禁止令の申請を認めました。
そして今日午後は、占拠行動の発起人3人が記者会見をし、明日の午後3時に自首することを発表しました。
まもなく最大規模の占拠地「金鐘」のバリケード撤去が行われます。
(楢橋里彩/文と写真)<t>