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安倍自民党が、選挙報道に関し在京テレビ局報道局長らに送ったお願い文書の意味するところは?

 

 「選挙時期における報道の公平中立ならびに後世の確保についてのお願い」という文書が11月20日付で 自由民主党の副筆頭幹事長・萩生田光一氏と報道局長・福井 照氏の名で 在京テレビ局各位 編成局長と報道局長 宛てに送られていたことがインターネット報道番組「ニューズ オプエド」のアンカー・上杉 隆氏 によって26日、明かにされた。

 

 慇懃無礼な文章だが、安倍政権と大手メディアの事情を知る人には、要するに本音は「自民党・安倍政権に不利な事実は報道するな!」という脅しだろう、との見方が多いようだ。

 

 そこで日本在住で、専ら英語なり外国語を通して日本の事情を知る外国人に、この文書について反応を聞いてみた。

 以下は彼らの発する疑問点である。

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(1)

Q1.これは選挙管理委員会か、放送機関の報道や番組が公正か嘘をついていないかなどを監視する機関が発するべき文書ではないか。(日本ではBPOという放送局で作る監視・提言機関があるが、この種の文書を出したことは聞いていない)

 

Q2.またこうした文書を出すにしても放送会社が政権の広報機関のような或いはその逆であったり、事実と異なる報道や放送をする例が多い場合、異例の手段として発する文書ではないか。

 

Q3.それを何故、政権与党の幹部がわざわざ出すのか。

 

(2)

Q4.これは自民党の正式決定なのか、それとも萩生田、福井の両氏だけで決めたのか。

 

Q5.自民党総裁の安倍氏は知っていたのか、知らなかったのか。他の幹部や議員たちは、これに関与したのか、それともこれを知っていたのか。知っていたのであれば、それに賛成したのか。

 

Q6.萩生田氏は安倍総理特別補佐官でもあるとも聞く。安倍靖国参拝に対するアメリカ政府の批判に反発し、いわば安倍靖国参拝を国際的に擁護した人物だ。当然、安倍氏と打ち合わせるか、彼の意図を受けている筈と考えるのが自然、事実はどうだったのか。

 

Q7.他の政党、特に連立与党の公明党には打診したのか。打診したとすれば公明党は賛成したのか。

 

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Q8.このような文書を出すからには自民党は、在京テレビ局の報道や番組関係者は“公正中立、事実に基づいた報道・放送をしない集団”、つまり“プロフェッショナルでは無く”、信用できない、というのだろうか。

 

(ジャパン・タイムズなどを読むと、テレビ局が伝えない安倍政権の問題政策を幾つも報じている。萩生田氏は、テレビ局も安倍政権礼賛ばかりでなく、もっと批判的事実も報道してくれ、ということなのだろうか?)

 

Q9.それにしても在京各社の編成局長や報道局長は、この文書をどのような形で受け取ったのか、どう反応・返答したのか。それとも無視したのか。或いは安倍政権を批判せず、礼賛報道ばかり多いので、流石に自分たちが馬鹿にされた、と怒りの電話でもしたのだろうか。

 

Q10.これは政権与党の在京テレビ局への一つの働きかけであるが、各社は“何故この事実を報道しないのか。既に6日以上経つのに、一社も報じていない”。これは“報道する価値がない”と判断したのだろうか。

 

(4)

Q11.特定秘密保護法が12月10日から施行になると聞いている。12月10日以降になると、日本ではこんなことも国家秘密とされ、有権者は知ることもできなくなるのだろうか。これを報じる者は警察が”秘密を暴いた”、として逮捕するのだろうか。

 

 以上は私が話し合った日本在住外国人、つまり第三者の基本的な反応・疑問である。

 多くの日本在住外国人は安倍政権の政策や報道が直接自分の生活や利害に関係ない。それでも安倍自民党の本質を良く知っている。

 しかし我々は選挙に一票を投じる当事者だ。

 こういう文書を内々に出す安倍自民党の本質が如何なるものか、またマスコミ(記者クラブメディア)との関係はどうなっているのか、などをこの際読者一人一人が外国人の発する疑問に答えを出し、今の日本の政治・経済の状況を踏まえ、安倍政権発足当時からの言動・政策をじっくり検証して投票に臨む価値はある、と思うのだが。

 

(大貫康雄)

写真:DAILY NOBORDER編集部