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日本漁船も西サハラ領海で密漁!?

 日本では、中国漁船のサンゴ密漁が大問題になっています。

 一方、日本の裏側にある西サハラの領海で日本漁船が密漁していると、国際社会は騒いでいます。

 10月半ばごろ、「日本の漁船が西サハラ領海内で操業している。WSRW(西サハラ天然資源監視)が告発を計画しているぞ!」と、西サハラ難民政府の幹部から親切な警告が送られてきました。

 WSRWとは外国人が組織するNGO団体です。

 西サハラ難民政府の予告通り、WSRWが日本漁船密漁のニュースを流し、10月31日にはBBC英国TVが西サハラ領海での密漁と不法掘削を取り上げました。

 「日本漁船が密漁?」マジな話です。

 

 2014年10月17日、WSRW(西サハラ天然資源監視)が、「3隻の日本漁船が西サハラの領海で密漁をしている。すぐに止めさせろ。西サハラ領海はモロッコ領海ではない。国連が規定している未確定地域で、西サハラ領海内での操業は国際法違反で密漁になる」との抗議書簡を、日本政府に送った。「こうりょう丸No51(IMO番号8915990)、しょうえい丸No7(IMO番号9120023)、たいわ丸No88(IMO番号9053488)の3隻が10月16日から17日にかけて密漁していた」と、WSRWは報告している。

 

 2014年10月31日、BBC英国TVが、国連から植民地と規定されたモロッコ占領地・西サハラの、領土問題と天然資源問題を報道した。BBCは、モロッコ占領地・西サハラ領海内でのコスモス・エネルギー石油会社による海底油田掘削計画に、焦点を当てている。5分の映像は、西サハラ被占領民によるコスモス・エネルギーの海底油田試験掘削反対デモ、人けのない西サハラ領海、西サハラ平和活動家の会見、モロッコ占領地・西サハラ風景、西サハラ解放区の西サハラ難民軍、西サハラ難民キャンプ、コスモス・エネルギー作業風景、コスモス・エネルギーの重役会見などを網羅している。

 

 国連事務総長法務顧問(当時)ハンス・コレルが国連法務委員会に出した2012年の報告書によると、「先を見越して入札などの契約をするのは違法ではない。しかし、国連が規定している不確定地域に於ける採掘などの行為は、明らかに国際法違反だ。行為を起こすに前に、住民の許可と住民の利益になるという保障が求められる」と、西サハラ領土・領海内での天然資源生産活動を違法だとしている。

 ハンス・コレルは1939年にスウェーデンで生まれた。弁護士で外交官で、1994年3月から2004年3月まで国連法務部署に席を置き、国連事務総長の法務顧問を務めていた。

 

 2014年11月4日、「日本海賊船がレーダーにひっかかった!」と、WSRWが再び日本に噛みついた。WSRWによると、「10月28日にはさらに一隻、ちよ丸No18(IMO番号9016521)が加わり、計4隻の日本漁船が密漁していた。獲物は高価なマグロで、日本・欧州マーケットでは1キロ当たり6ユーロで、漁船夫々の容量は400トン。しかし、西サハラ領海での密漁は、9,000,000ユーロの罰金を払うことになる。我々は、世界の自然保護団体、IUCN(国際自然保護連合)、ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)、IUU(違法・無報告・無規制の漁船)、UNFAO(国連食糧農業機関)に報告し、日本密漁反対運動への賛同を得た。しかし、日本政府は全く我々の抗議書簡に返事をよこさないので、本日2014年11月4日、抗議書簡第二弾を日本政府に送った」と、ある。

 

 世界のNGO自然保護団体は、日本の漁師さんたちにとって必ずしも良いお友達ではありません。筆者は日本人です。どっちの味方をするかは明らかです。しかし、<中国のサンゴ密漁>と<日本のマグロ密漁>……、どっちもどっち。

 

 私たちが考えるべきは、領海問題と天然資源問題……、まさに、中国と日本とモロッコと西サハラと、そして、国際社会の問題です。

 

(平田伊都子)<t>

PHOTO by SEFSC Pascagoula Laboratory; Collection of Brandi Noble, NOAA/NMFS/SEFSC. (NOAA Photo Library: fish4499) [CC-BY-2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0) or Public domain], via Wikimedia Commons