枝野幹事長にも「政治とカネ」の疑惑浮上
政治とカネをめぐる疑惑が案の定、民主党に飛び火した。あろうことか枝野幸男幹事長の後援会「アッチェル・えだの幸男と21世紀をつくる会」の政治資金収支報告書に2011年2月に開催した「新春の集い」の会費収入約240万円余りの記載漏れが見つかったのだ。
疑惑の構図としては先に観劇会の収支を記載漏れして閣僚を辞任した小渕優子前経済産業相と同じである。
これを受けて菅義偉官房長官は29日の記者会見で
「政治資金のあり方は、与野党問わず政治家が責任を自覚し、国民に不信をもたれないよう襟を正すことが大事だ。疑念が生じることがあれば、しっかり説明責任を果たすべきだ」と述べた。
当然のことだ。しかも今国会、政治とカネをめぐる疑惑でこれまで散々、安倍内閣の閣僚を追及してきた民主党の幹事長として説明責任以上のケジメが求められるところだ。
もっとも疑惑の当事者である枝野氏は同日、記者団を前に「甚だ軽率なミスで恥ずかしい限りだ。心よりおわび申し上げる」と陳謝する一方、「公職選挙法や政治資金規正法に抵触することはないと考えている」と開き直った。
こんなことでは残念ながら民主党は未来永劫、国民有権者の信頼を取り戻すことはできまい。せめて「うちわ」だの「SMクラブ」などといった重箱の隅を突くような国会審議はこの際、止めにしたらどうか。
折しも国会は28日、衆院本会議で与野党対決法案の労働者派遣法改正案が「政治とカネ」をめぐる混乱で当初予定より2週間遅れて審議入りした。
同法案の成立阻止を掲げる民主党があるいは審議未了、廃案を狙って意図的に国会を混乱させるつもりならもはや選良の名に値しない。
賛否はともかく、与野党が正々堂々の議論を尽くし、粛々と採決することが立法府のあるべき姿と心得よ。
(藤本順一)<t>
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