ETC義務化、最短2016年春から実施の可能性高まる
国交省国土幹線道路部会では、ETC義務化の議論が活発に行われている。同部会では来年夏までに結論を得ることになっているが、義務化が打ち出される可能性は高い。
首都圏高速道路などの単位料金均一化、走行履歴などをビッグデータとして共有し、対応カーナビで最短時間到達経路を知ることができるなど利便性が格段に上がるとするETC2.0なども来年夏の最終とりまとめに盛り込まれそうな勢いだ。
ETC義務化は、早ければ来年夏の最終とりまとめ後、国会での審議を経て再来年春から実施される可能性がある。もちろん完全普及には一定の猶予期間が設けられるとは思うが。
ETC義務化によって、将来の自動運転を見据えたITS(高度道路交通システム)化がドンドン進むわけだ。便利さと引き換えに、ユーザーを置き去りにはしないで欲しいものだ。
首都圏の3つの高速道路リンクについて、首都高速中央環状線、外環道、圏央道はほぼ完成へ向けてスケジュールに乗った。外環道の東名高速から南だけが事業化されていない。必要性は認められているが、実現はかなり難しい。
ところで、ETC義務化もETC2.0もユーザー負担の問題がある。もちろん個人情報保護が徹底されるかどうかも気になるところ。対応カーナビを買わないユーザーには、簡易型GPS車載器が安価で用意されるという。
環境性能課税はハイブリッドカー(HV)、電気自動車(EV)にやさしく、高速道路はETC義務化に進む。燃料電池車(FCV)には多額の補助金を出す。新しいモノにユーザーを誘導するために、国はまっしぐらだ。
ぜひ限りある報酬の中からお金を払っている一般ユーザーの本当のニーズを吸い上げながら、賢くお金を使って欲しいものだ。
(神領 貢/文と写真)