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2014年「最も太太しく嘘っぱち宣伝をしてきたで賞」受賞商品決定

 今月1日、ドイツでその年に最も厚かましく、誤解を招くような宣伝文句を表示した食品に贈られる「黄金のシュークリーム(Goldener Windbeutel)」の受賞商品が決定した。受賞したのは、ネスレ(Nestlé)の「アレーテ(Alete)」。「10ヶ月目からの飲む食事 (Trinkmahlzeiten ab dem 10. Monat)」で、「栄養満点の食事」の名目で、生後10ヶ月目からの乳幼児を対象とした、「粥」の加工品として販売されている。

 

 主催したのは、消費者の食品に関する権利と質の向上を求めて活動する、ドイツ・ベルリンに本部を持つ公益団体「フードウォッチ(foodwatch)」である。環境保護団体グリーンピースの元事務局長、ティロ・ボーデ(Thilo Bode)が2002年に設立した団体であり、食品産業界の消費者に対する悪質な実態を公表し、「質が良く、健康面において安心で、包み隠しの無い食品」を求めて、商品の中身や食についての事柄を、公正に知る権利の行使を課題とし活動している。

 

 選考に当たっては、先月(2014年9月)1日~30日までの1ヶ月間に渡り、インターネット上でオンライン投票が行われ、15万8000人以上が投票に参加した(最高投票数を記録)。

 

 世界最大規模の食品産業コンツェルン、ネスレの当受賞商品は、「健康な骨の成長のためのカルシウムやビタミンDが豊富」などと表示し、乳幼児にぴったりで健康的との印象をもって販売されているが、多くの小児科医が「虫歯を作り、超高カロリーである」として、何年にも渡って警告を発してきた。

 

 当商品は得票率45.8%という、圧倒的な得票での受賞である。他の受賞候補として挙げられたのは、全く鶏肉の入っていない(1%の鶏の油入り)、ユニリーバのクノール「鶏肉」スープ(得票率25.2%)、水に過剰なビタミン添加物、人工着色料、香料を投入し、すばらしい飲み物として高い値段で市場に出回っているコカ・コーラの「グラソービタミンウォーター」(14.6%)、理想的な朝食として宣伝されているが、実態は28%まで砂糖で占める菓子である、モンデリーツの「ベルヴィタ・朝食クッキー」(11.5%)など、全5商品だった。

 

 「黄金のシュークリーム賞」の授賞のため、投票主催者フードウォッチは同日(今月1日)、フランクフルトに拠点を置く、ネスレ・ドイツ本社を訪れた。活動家の一人は、ネスレの「アレーテ」のコスチュームをまとい、「私は今後、嘘っぱち宣伝でありたくない!」というプラカードを掲げた。

 

 しかし例年の受賞者同様、会社側(ネスレ)は受賞トロフィー「黄金のシュークリーム」の受け入れを拒否した。賞の受け渡しにあたって、ネスレのスポークスマンのアヒム・デュレヴェス(Achim Drewes)が、ドイツ本社前で、当賞の受賞に対して「嘘の宣伝、ましてや健康危害などあり得ない」、トロフィーの黄金のシュークリームは「持ち帰ってください」との回答をした。

 ネスレの商品「アレーテ」の飲む粥製品に対しては、2007年ドイツ小児科・児童医学会(Deutsche Gesellschaft für Kinder- und Jugendmedizin)が、その健康危害の危険性から「無責任」と指摘して、その市場販売の停止を要求していた。この度、スポークスマンの言によれば、そのような商品の批判に応えて、数年前から商品の改善に努めてきたというが、当医学会を始めとして、他学会や研究所から依然として、過食の危険性と乳幼児の虫歯形成を招くとして、当商品の飲食を原則として不適切と言明している。

 

 「黄金のシュークリーム賞」は2009年から2012年、及び2014年には「その年最も太太しい嘘っぱち宣伝」をした食料品に贈られ、2013年には「最も太太しくペテン宣伝をした児童向け食品」を選ぶなど、児童に対して誤解を招くような宣伝に対して、食品産業界全体の責任を促した。

 

 フードウォッチのこれまでの受賞商品を概観すると、児童向けに宣伝され、実際には偏った栄養摂取を助長し、その商品の摂取が健康を増進するかのように宣伝がなされている商品の受賞が多い。

 

 以上の記事はドイツ語圏におけるフードウォッチの投票結果であり、オランダ語圏のフードウォッチで行われた「今年最も太太(ふてぶて)しく嘘っぱち宣伝をしてきたで賞」の2014年の受賞商品は、コカ・コーラの「カプリソーネマルチビタミン」に決定した。約2万6000人の投票者のうち、約38%にあたる1万人が当商品に投票して、受賞が決定した。

 なお、「カプリソーネ」は既に、2013年にドイツ語圏で行われたフードウォッチの当市民投票における受賞者であった。200mlのアルミパックに6つ半の角砂糖が入り(コーラやファンタの砂糖の含有量にもほぼ匹敵)、肥満を助長するこの清涼飲料水は、スポーツイベントでのスポンサー事業、独自のスイミングバッジの授与、学習用製品にロゴを入れての配布などを通して、製品に対して過剰にポジティヴな宣伝活動をしていた。

 

(DAILY NOBORDER編集部)

写真:フードウォッチ(www.foodwatch.org)HPより