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「自転車が語る昭和」展、開催中

 今月7日、東京・目黒の自転車文化センターにて、「自転車が語る昭和」展が開幕した。

 展示は、世界大戦や高度経済成長などの激動を経た「昭和」時代において、自転車とその社会的役割がいかに変遷してきたかを、昭和の各年代の資料と当時の自転車を展示して伝えている。まだ自動車が普及していない時代、大きな荷物を運ぶ運搬車としての自転車、マウンテンバイクなどの趣味やレジャーとしての自転車、幼児載せ兼用の前カゴ(幼児の足置きも)付きの自転車、折りたたみ自転車など、当時の写真と実物、社会的背景の簡潔な説明と共に辿られた自転車史からは、日本社会の変遷の歴史が浮き彫りになっている。

 

 自転車文化センターは、「自転車の利用の健全な普及を図り、自転車産業の発展と国民生活の向上に寄与すること」を目的とし、昭和46(1971)年に設立された一般財団法人日本自転車普及協会の情報提供施設である。自転車ロードのステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の創設にも尽力する一方、「自転車が安全かつ快適に利用できる環境をつくる」ことを目指したバイコロジー(自転車のBikeと生態学のEcologyとの合成語=Bikecology)の研究と運動に力を注いできた。バイコロジーの理念の下、さまざまなイベントの開催や自転車の利用環境の改善のための運動、安全で正しい自転車利用などを、地方公共団体とともに検討、実施している。

 

 自転車文化センターでは、約3ヵ月ごとに特定のテーマを扱った特別展示が開催されている。また、センター内のライブラリーでは、自転車に関する資料、書籍など9,000点が所蔵されており、会員手続きをすれば閲覧できる。

 

 なお、「自転車が語る昭和」展は、12月25日(木)まで。

 

(DAILY NOBORDER編集部/文と写真)