アスベスト被害、国の責任を認める判決
大阪府・泉南地域のアスベスト工場で働いたことで肺がんなどの健康被害を受けたとして、元従業員や遺族ら計89人が、国を相手取り損害賠償を求めて集団訴訟した2件の裁判の上告審判決で、最高裁第一小法廷は9日、「排気装置の設置を義務づける対策が遅れたことは違法」として、原告の訴えを認めた。
アスベストによる健康被害で、最高裁として初めて国の賠償責任を認める判決となった。
判決では、58年にはアスベストによる健康被害が確認されており、その時点で排気装置の設置を義務づけることができたにもかかわらず、実際に国が規制をしたのは71年だったのは遅すぎるとしている。
細かい繊維状の天然鉱物であるアスベストは、吸引すると肺がんなどの健康被害を引き起こすため、現在では使用が禁止されている。
(DAILY NOBORDER編集部)
PHOTO by Wiiii (投稿者自身による作品) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0-2.5-2.0-1.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons