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学生や市民に占拠される香港

 香港の民主派を支援する市民や学生は29日夜、香港島中心部の金鐘(アドミラルティ)のほか、同じく「香港そごう」などのデパートやホテルなどの商業施設やレストランが集中する銅羅湾(コーズウェイベイ)や、大陸からの観光客が多い九龍地区の商業街・旺角(モンコック)でも座り込みを始め、香港でも占拠地区を拡大した。

 

 写真は、香港の知人が撮影した占拠風景。

 デモ隊に占拠された香港・旺角地区の街頭1

デモ隊に占拠された香港・旺角地区の街頭に張られたスローガン

デモ隊に占拠された香港・旺角地区の街頭3

デモ隊に占拠された香港・旺角地区の街頭に張られた香港政府の警告5

  知人によると、占拠行動は極めて平和的に行われており、警察はまだ様子見で、強制排除の動きはみせていないという。

 

 民主派団体は2017年の香港トップ・行政長官選挙で民主派候補を事実上排除する中国政府の決定の撤回と、現在の梁振英・長官の辞任を求めており、今後、占拠地区がこれまでの3カ所から、他の地区にも拡大することも考えられる。

 

 ただ、今回の選挙行動の激化により、香港株式市場でハンセン指数が前週末比約2%下落しているほか、占拠地区の商店やレストラン、小売店が次々と閉店に追い込まれるなど経済活動にも徐々に影響が出始めている。

 

 さらに、10月1日からは中国の国慶節(建国記念日)の大型連休が始まるが、今回の占拠行動が大陸からの観光客の動きにどれだけ影響を与えるかが注目されている。

 

 今後の焦点は、香港当局がいつ学生らの排除に乗り出すかで、香港側の動きが鈍ければ、北京政府が人民解放軍を出動する事態も考えられるだけに、予断は許されない。

 

(相馬勝/文と写真提供)