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東京国際映画祭、来月開催

 今年で第27回となる東京国際映画祭が、10月23日(木)から31日(金)までの9日間、東京都港区の六本木ヒルズをメイン会場に、日本橋、銀座にて開催される。

 

 今回はオープニング作品として、ディズニー配給の『ベイマックス』のワールド・プレミア上映が決定している。映画祭ホームページによると、本作は日本文化から多くのインスピレーションを得て完成し、ディズニー・アニメーション史上初の日本でのワールド・プレミア上映であると伝えている。

 

 クロージング作品は、山崎貴監督の『寄生獣』(話題作で実写化)のワールド・プレミア上映が決定されており、その他のプログラムの詳細は追って発表される。

 

 開催に先立ち先月26日、メイン会場である六本木ヒルズにて記者会見が執り行われた。今年は特に、アニメ特集として「庵野秀明の世界」と題した、庵野秀明監督の自主制作時代からの特集上映に注目が集まる。庵野監督は「エヴァンゲリオン」シリーズを始めとする数々の有名アニメ作品の監督として名高く、これまで30年以上の間、日本のアニメ界に貢献してきた。記者会見にて日本のアニメーションについての質問を受け、庵野監督は、日本のアニメーションの魅力を世界中で、子供のみならず大人にも観て欲しいこと、商品として海外に出せるものにしたいこと、色々な国の事情を乗り越える可能性のあるものとしてのアニメーションを提供したいこと、などの抱負を語った。また、日本がアニメの業界で先進的な地位を維持するためには、「儲かるシステム」を形成し、民間における経済的活力が必要であると強調した。

 

 東京国際映画祭は、1985年に第一回目が開催され、第4回目まで隔年での開催、第7回の1994年には平安建都1200年を祝賀し京都で開催、第22回の2009年からは、六本木ヒルズをメイン会場として開催してきた。第一回開催当初から様々な経歴を持つ映画関係者の国際審査員が招聘され、世界中の映画を上映するだけでなく、アジア映画の秀作や日本映画に焦点を当てた数々のコンペティション部門を創設し、世界における東京国際映画祭の存在をアピールしてきた。

 

 また、映画祭を通じた環境保護活動、社会貢献活動への取り組みとして、第21回の2008年から、環境負荷の低減を目指し回収された再生PET素材を使用して作られたグリーンカーペットを使用している。また会期中全ての上映をグリーン電力(風力、太陽光、バイオマス(生物資源)といった3種の自然エネルギーによって発電された電力)で行うなどの試みを行っている。

 

 毎年ドイツ・フランクフルトで開催され、今年の開催で第14回目となった、海外最大規模の日本映画祭「ニッポン・コネクション」(nipponconnection.com)の映画チームも来日する。「ニッポン・コネクション」は毎年春に行われ、100以上の映画作品を取り扱う日本映画の祭典であり、2014年の来客数は1万6千人にも及んだ。映画チームはベルリン国際映画祭を始めとする数々の国際映画祭を訪れているが、なかでも優秀な映画作品をノミネートすべく、例年、東京国際映画祭を訪れている。映画祭終了後、映画チームへの独占インタビューを掲載する。

 

(DAILY NOBORDER編集部・高橋寛子)

写真:(c)2014 TIFF

庵野秀明監督(中央)と、2014年のフェスティバル・ナビゲーターの岡本あずささん(右)とハリー杉山さん(左)。第27回東京国際映画祭HPより。