ネオナチ高市の入閣は安倍改造内閣最大のアキレス
「男性が一緒に写真を撮りたいとおっしゃったので、ツーショットで撮影しました。もちろんその時点で彼がそのような人物とは全く聞いておりませんでした」
政治団体代表の男性との親密ツーショット写真が暴露された高市早苗総務相は10日、こんな内容のコメントを発表した。
何が問題かといえばこの政治団体が「国家社会主義日本労働党」を名乗り、「民族浄化を推進せよ!国家社会主義闘争に立ち上がれ!」と叫ぶネオナチを標榜しているからだ。
同様に現時点で自民党の稲田朋美政調会長と同西田昌司参院議員の2人についてもこの団体代表とのツーショット写真の存在が明らかになっているが、とりわけ高市、稲田の両氏は本欄が軍国少女隊と名付ける安倍首相の側近中の側近議員である。
このため海外メディアは「(高市氏らが)男性と信念を共有しているという証拠はないが、安倍首相が政権をさらに右傾化させているとの批判に油を注ぐだろう」(英紙ガーディアン電子版)、「写真は安倍首相が自分の回りを右寄りの政治家で固めているとの主張をますますあおる可能性がある」(仏AFP通信)など、衝撃をもってこれを伝えている。
この政治団体代表との関係がどうであろうと、結果からすれば軍国少女隊の名を世界に知らしめ、安倍政権の足を引っ張ってしまったわけだ。
とりわけ高市氏の政治家としての力量についてはこれまで幾度となく疑問符が付けられてきた。たとえば、政調会長時代には「公明党との連立解消」に言及して厳重注意処分を受け、また、「福島原発事故で死者はいない」と発言し被災地住民から大ひんしゅくを買うなど「オンナ伸晃」と揶揄されるほどの失言癖は懸念されるところだ。組閣直後には靖国参拝を表明して中韓両国との関係改善に意欲を見せる安倍政権の足をさっそく引っ張った。
公明党の山口那津男代表は9日に行われた政府・与党連絡会議で「地球儀を俯瞰する外交の総仕上げとして、中国や韓国との関係改善を期待する声は内外に満ちている。政府・与党があらゆる人脈やチャンネルを生かして関係改善に取り組むべきだ」と述べた。ぜひそうあって欲しいが、高市氏の入閣が悔やまれるところだ。
(藤本順一)<t>
写真:首相官邸HPより