マーチ火災3件発生、ようやくリコール 国交省は「昨年末にリコールせよ」と指摘
9月4日、日産自動車がマーチほかのリコールを届け出た。平成22年6月25日~平成26年4月15日に生産された11万5774台で、スターターモーター不良による火災発生の可能性が5万4589台、リアブレーキ不良が6万3805台の多数にのぼる。リコール発表時点ですでにスタータモーターの不具合報告が29件、うち3件の火災が発生。後輪ブレーキ不良は211件も発生していた。この件を国交省に聞いた。
「リアブレーキ不良は25年春に一件目が発生」(リコール監理室)。200件を超える不具合が1年あまりの間に発生したことになる。「スターターモーター不良は22年9月17日に1件目が発生。スターターモーターの火災は24年5月に1件目が発生した」(同)。最初の火災から2年もリコールがなく、その間さらに2件の火災が発生していたことになる。
リコールが遅かったのではないか?
との記者の質問に対して、リコール監理室も、「そう認識している」とした。火災まで起きているのに日産自動車の対応の鈍いのではないか。
実は、昨年末に定期監査を行った時もリコール監理室は、「早々に決断しろ!」と、日産にリコールを促したと言うが、今月までリコールが行われなかった。
日産に話しを聞いた。
「結果的に最初の火災からリコール届出まで時間がかかったことは遺憾に思います。1件目、2件目ともにスターターモータ付近の部品が焼損しておりましたが、 出火原因の特定はできませんでした。考えられる要因としても非常に稀な操作によるものと推定していたため、継続的な発生はないものと判断しました。3件目 の火災情報においても、原因の特定には至らず、非常に稀な操作によるものと推定しましたが、万全を期すため、今回のリコールに至った次第です。弊社としては、適切に判断を行ってきた結果として、この時点でのリコールを判断いたしました。」(広報部)と釈明する。
なお、スターターモーター不良はマーチのみで44万台。ラティオ、マーチ、ノートなど後輪ブレーキの不具合については国内分6.3万台、海外分でさらに6万3000台ある。
(神領貢)
写真提供:日産