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中古車買取り最大手ガリバー・インターナショナル 訪問買取りで「ハングアウト」使い、客の覗き見発覚

 自宅でのマイカーの売却商談中に、営業マンが持ってきたパソコンの見積書を確認する。私のクルマ、いくらで売れるのかな!と思って期待と不安をこめて画面を覗き込む。もしも、あなたの表情を画面の向こうの誰かがのぞいているとしたら!しかも動画でリアルタイムに。

 

 そんなあるはずもないことが、平然と行われている実態が明らかになった。中古車買い取り最大手で、東証一部上場企業のガリバーインターナショナル(東京都千代田区・羽鳥兼市会長・以下ガリバー)だ。

 

 改正特定商取引法(特商法)が昨年2月に施行されたが、四輪中古車は登録制度があり、クーリングオフの対象となっていないため、中古車買取り業界と経産省が、「宝石や貴金属の押し買いとは違う。訪問買取りができなくなるのは死活問題」と猛然と巻き返しに出た結果、いまのところは特商法の例外扱いとされている。

 

 が、今回のガリバーによるお客様宅での訪問商談時に、MacBook Air付属のカメラとライブチャットアプリ「ハングアウト」を使って、お客に断りなく顔と室内を映す行為は決して許されるべきものではないだろう。

 

 「覗き見」について、ガリバー側は事実関係を認めた上で、4月から7月までの4カ月間で「32件(ハングアウトを)つないだ事例があった」(広報チーム)ことを認めた。自動車雑誌「マガジンX」が指摘していなければ、「覗き見」もっと言えば「盗撮」被害はさらに広がっていたのは容易に想像がつく。未遂も含めてコトの本質は、ガリバーが急成長のかげで利益主義に走り、お客様と従業員に対する顧客満足と企業統治を怠り、さらには法令遵守に対しても疑義をもたれるような行為を行ったことだ。

 

 これを即刻反省し、襟を正すことである。早急に覗き見した人に謝罪し、関係者に対して必要な処分を下し、さらに再発防止策を策定、実行すべきと考える。ガリバーにそうした意志が果たしてあるのか、注視しなければならない。

 

(神領貢/文と写真)