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昭和天皇実録公表で各紙の報道は

 宮内庁は9日、昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」の内容を公表し、これを受けて新聞各紙はそれぞれ1面で報じている。

 

 毎日新聞は「『富田メモ』を追認」と題し、靖国神社を参拝しないのはA級戦犯が合祀されているからだとする説を裏付けるものだと報じ、東京新聞は、「開戦回避できず苦悩」と題し、昭和天皇が軍部に不快感を抱き、開戦を止められなかったことを戦後も悩み続けていた、と報じている。

 

 産経新聞はソ連の参戦により、ポツダム宣言を受諾した「ご聖断」を決意したと報じ、読売新聞も原爆投下から「聖断」により終戦に至るまでが正確な時系列で明らかになったとして、昭和史研究における第一級の史科だとしている。

 

 日経新聞は、昭和天皇が終戦直前に終戦を決意していながら、神前で先勝を祈願した「御告文(おつげぶみ)」があったことから、昭和史に新たな謎が提示されたとしている。

 

 朝日新聞は「通説を覆すような新たな発見はない」とし、社説では歴史と向き合う素材にすべきだ、などとしており、各紙によって捉え方は様々だ。

 

(DAILY NOBORDER編集部)

写真:Wikimedia Commonsより