クロマグロが絶滅危機!国際環境NGO3団体が危機的状況の訴え
国際環境NGOのグリーンピース、WWF、ピュー・チャリタブル・トラスツの3団体が29日、共同で外国特派員協会で会見を行った。
これは9月1日から4日に、福岡市で開催される「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第10回北小委員会」を前に、太平洋クロマグロの危機的な状況を伝えるとともに、持続可能な資源管理の強化を訴えたものだ。
会見では、現在、太平洋クロマグロの資源量が初期資源の約4%しか残っておらず、かつてないレベルでの枯渇状態にあるとして、いつ絶滅危惧種に指定されてもおかしくない状況だと指摘している。
主要な原因として、巻き網漁による未成魚や産卵親魚の乱獲を挙げ、それによりそれらの資源量が激減していると説明。その上で3団体は、太平洋クロマグロ資源回復のためには、少なくとも未成魚の漁獲量を2002から2004年の平均漁獲量の50%に削減し、成魚についても同平均漁獲量に制限すべきだとする要請を委員会で行う予定だ。
グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当の花岡和佳男氏は、「そのような乱獲を引き起こしているのは、本来は高級食材である本マグロを、安価で大量に調達しようとするスーパーマーケットが需要を作り出していることにある」と指摘し、「消費者は、クロマグロが危機的な状況にあるという情報をニュースで耳にしていても、スーパーに行けば大量にマグロが置いてあり、そこに大きなギャップがある。そういった状況を生み出しているスーパー側に大きな責任がある。」と述べた。
グリーンピース・ジャパンでは国内大手スーパーマーケット・チェーン15社に対し、クロマグロの調達についてのアンケートを実施し13社から回答を得た。
その結果、回答のあった13社すべてで未成魚のクロマグロの取り扱いがあることがわかるなど、大手スーパーによる需要創出が乱獲促進の一因であることが裏付けられている。
グリーンピースでは今後も大手スーパーに対し、海洋資源の保全に向けて積極的な取り組みを強化していくよう促していくとしている。
グリーンピースジャパン 海洋生態系担当 花岡和佳男氏
(DAILY NOBORDER編集部)
写真:外国人特派員協会にて(平成26年8月29日15:00〜16:00)