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Mysterious India 〜神秘的なインド訪問記(5)〜 Darjeeling紅茶特集編

 さて、口説いようだが、ダージリンといえば“ティー”である。

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<ダージリンティーの茶葉>

 

 紅茶のシャンパンとも呼ばれるダージリンティーは、遡れば19世紀中頃、イギリス人植物学者・プラントハンターのロバート・フォーチュンの手によって中国よりインドにチャノキが運ばれ、始められた栽培である。ダージリンの平均標高2,134mという高地。そして立ちこめる霧が紅茶を栽培するのに最適だそうで、水色の明るさと香りが特徴的。中でも選りすぐりのものは、マスカテルフレーバー(マスカットフレーバー。マスカットを口に含んだような香り)という強く甘い香りを放つ。

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<茶摘みをする女性たち>

 

 ただし、ダージリン地域の中で育った全ての茶葉が“ダージリンティー”ではない。現在87園の登録茶園だけが認定マークを付けて“ダージリン紅茶”として名乗る資格を持っている(旧茶園で以前に登録された場合、今の登録がなくても別途名乗る事も出来るらしいが)。その他の茶園は、ダージリンという街中に存在していても、ダージリン紅茶と名乗る事が出来ない。

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<ダージリン認定マークのついたパッケージをラッピングに貼る女性たち(GoldenTipsにて)>

 

 ダージリンでは、いわゆる“紅茶”のブラックティーを初め、4種類の茶葉が誕生する。

 ブラックティー(紅茶)、ウーロンティー(烏龍茶)、グリーンティー(緑茶)、ホワイトティー(白茶)だ。

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<左から、紅茶ファーストフラッシュ、紅茶セカンドフラッシュ1等級、2等級、紅茶オータムフラッシュ、緑茶、烏龍茶、白茶>

 

 中でも晴天の日のみに茶摘みが行われ、一番茶のフワフワした一芯の部分のみを選ぶホワイトティーは、約8万枚の茶葉から450gしか取れないため希少性が高いとされ、その気品ある味わいは皇帝も愛し、古来より大切にされてきた。

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<白茶>

 

 また、季節によっても香り、味わい、クオリティともに異なってくる。

 3月から4月にかけて摘まれる“春摘み”こと「ファーストフラッシュ」、5月から6月にかけて摘まれる“夏摘み”こと「セカンドフラッシュ」、10月から11月にかけて摘まれる“秋摘み”こと「オータム(ナル)フラッシュ」の三段階に分けられ、値段でいうと新芽のファーストフラッシュの方が、収穫量の少なさから高価になっているが、世界中で浸透しているいわゆる“ザ・ダージリンティー”というものは、セカンドフラッシュである。これが味・香り・クオリティともに最高と言われており、筆者もティスティングをしていく中で非常に強く味わい深さを覚えたのはセカンドフラッシュだった。

(意外だったのは、ウーロンティーやグリーンティーも非常に美味しかったこと。ホワイトティーはとにかく上品で高貴な味であった)

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<ダージリンティーテイスティング中の筆者(GoldenTipsにて)>

 

 そのほかにも、茶葉のどの部分を使用するかで、等級が変わってくる。

 

 最後に、これらの美味しいお茶の数々は、基本、以下のような要領で作られる。

注)筆者が訪れた工場での過程である

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<訪問した工場>

 

1)Plucking Process(茶摘みプロセス)

・・・一つの新芽と二枚の若葉のみ(一芯二葉摘みと言う)を、茶摘み婦の手で摘まれる。ダージリンでは3月〜11月が茶摘みの時期とされる。

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<一芯二葉摘みをする茶摘み>

 

2)Withering Process(萎凋“いちょう”プロセス)

・・・陰干し後、大型温風機で14〜16時間かけて茶葉の水分を一部蒸発させる。工場によっては、陰干しのみ行う。

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<生葉を柔らかくしおれさせ、一部水分蒸発させる萎凋過程>

 

3)Rolling Process(ローリングプロセス)

・・・ローリングマシーンと呼ばれる揉捻機で20〜25分茶葉を砕き、揉む。

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<揉捻機>

 

4)Fermentation Process(発酵プロセス)

・・・発酵室で4〜6時間寝かせて発酵させることで、緑色の茶葉が赤褐色〜黒色に変色していく。

 

5)Firing Process(乾燥プロセス)

・・・約65度の乾燥機にかけられ、水分が殆どなくなる状態にされる。

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<乾燥機>

 

6)Grading Process(等級区分プロセス)

・・・挟雑物(余計なもの)を取り除き、形やサイズから等級を分けていく。

 

 最終的にどのお茶が好みであるかは個人差があると思うので、ダージリンに立ち寄る際は全種類ティスティングされることをお勧めしたい。

 

(成瀬久美)