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Mysterious India 〜神秘的なインド訪問記(2)〜 Gangtok編

 デリーから飛行機で2時間、そのあと車で4時間ほどかけて目指したのはシッキム州。(注:シッキム州に入るには入域許可証がいる。パスポートとパスポートのコピー、顔写真を提出しなければならない)。

 シッキム入りするまでにすれ違う人々や動物たちはおおらかで、緑豊かな環境の影響を感じさせていた。また写真は撮れなかったが、道中ラピスラズリとターコイズブルーが混ざったような、インドブッポウソウという俗称「神の鳥」にも遭遇した。

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<シッキム州に入るまでに出逢った動物と牧歌的な街の風景>

 

 シッキム州は、1975年に正式にインドの22番目の州となり、かつて王国だった時代がある。今回筆者は標高1780mに位置する首都ガントクを訪れたのだが、そこはインドの典型的な“賑やか”なイメージよりも整然とされている、素朴ながらも小綺麗な街の風景が広がっていた。

 晴れていたらカラフルな街並みの中から世界で3番目に高いカンチェンジュンガ(標高8586m)を眺める事も出来るらしい。夜の街並も、小洒落ている。

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<ガントクの目抜き通り、M.G Margの夜景(NAMGYAL TREKS & TOURS提供)>

 

 シッキム州、そしてガントクは非常に穏やかなチベット系の人、ネパール系の人が多く住む場所であり、チベット仏教、チベットやネパールの文化が根付いている。インドではなかなか食べることが出来ないビーフやポークのメニューも目にした。

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<チベット文化圏の食事、ビーフモモ(餃子)。ミントとコリアンダーのチャツニーがまた爽やかさを与えてくれる>

 

 さて筆者がガントクで訪れた場所は、チベット学研究所と州政府エンポリアムに併設されているハンディクラフトセンターである。

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<チベット学研究所>

 

 チベット学研究所は、1958年にチベット仏教を中心に、チベットの歴史、言語、芸術文化や人々の風習などを研究して伝承しているところで、建物の1階は博物館になっている。貴重な仏像や法具、古代教典が書かれた巻物やタンカ(曼荼羅やチベット仏教に関する掛け軸)などが展示されており、ここにいるだけで寺院に足を運んだような感覚になれる。(館内は撮影不可)

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<他の州から訪れたというインド人観光客。チベット仏教徒の姿も>

 

 ハンディクラフトセンターは、繁華街のMGMargから1キロほど離れた、中心部(ゼロポイント)に位置する。

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<ハンディクラフトセンター>

 

 政府サポートのもとで1957年に建てられ(隣接する博物館は2007年にオープン)、年齢問わず様々な人が半年間カーペット作りやタンカ制作、バスケットやカップなどの木工制作、彫刻等ハンドクラフトの技術を学ぶことが出来る。

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<授業の様子。タンカ制作をする生徒達>

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<カーペット作り>

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<織物をする女性>

 

 月曜日から土曜日までの10時から16時までが授業で、半年の受講を終えたら政府より認定証が貰える仕組みだ。すぐ傍のエンポリウムでは彼らが作ったアートクラフトを購入する事が出来る。

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<細かい技巧が施された竹のコップ>

 

 これらの場所以外でも、郊外にあるダライ・ラマとともに亡命した、カルマパ16世が建てたシッキム州最大の僧院・ルムテク僧院にも足を運んだので、こちらは僧院特集でお届けする。

 

(成瀬久美/文と写真)