Mysterious India 〜神秘的なインド訪問記(1)〜
6月から7月にかけて、インドの北部大都市デリーと北東部のシッキム州ガントク、西ベンガル州のカリンポン、ダージリンを訪れた。(写真上:2010年にオープンしたインディラ・ガンジー国際空港 ターミナル3)
改めてインドを見直してみると、インドの総人口は12億5000万人。訪問した場所では、デリーが約1,100万人、シッキム州ガントクは約10万人(州全体としての人口は28州の中で最少の61万9千人)、西ベンガル州カリンポンは約5万人、同じくダージリンは約10万人という人口構成になっている。
インドの面積は約329万平方キロメートル。日本の約8.7倍で、当たり前だが広大である。
そこには現時点で32件もの世界遺産があり、歴史的建造物の数々、壮大な大自然、かつ、人口の八割以上を占めるヒンドゥー教をはじめ、イスラム教、キリスト教、シーク教、仏教、ジャイナ教……と実に多彩な宗教が存在し、多くの言語が飛び交い、様々な文化があり、さらに社会構造としてのカースト制度があるため、非常に奧が深い。
そんな訳で、インド旅行は「何を理由に、誰と、どこに、どういうルートで行くのか」で、受ける印象が大きく異なることだけは断言できる。
<ダージリンの街の様子 と 焼きトウモロコシを作る家族>
日本人にとって、インドは訪問したあと”好き嫌い”がハッキリ分かれるというが、筆者にとっては前者であり、実に興味深い場所であった。一言で言えば、すべてを包み込む「何か」を感じさせるミステリアスな場所だったのだ。まさに上記の全てが包まれるように渾然一体となる空気、インダス文明や仏教などの起源であることに納得してしまうような原始的な風土。そして、医食同源に基づく、スパイスたっぷりの料理とアーユルヴェーダ。筆者の場合、滞在中体調を崩す事もなく(多少スパイスの量が多いので体が反応するが、それも後に健やかになった)気がつくと、心身の調子が良くなっていた。
<豊富なベジタリアン料理 と テーブルに良く置かれているスパイス>
また今回は、北東部を中心に廻ったため、チベット仏教徒にも会うことができ、僧院をいくつか訪問する事もできた。ダージリンをはじめ、緑豊かな自然に囲まれ、ネパール、ブータン、そして中国(チベット)の文化も入り交じった、どこか牧歌的な雰囲気漂う土地を訪ねたが、新たなリゾート地として今後注目されてもおかしくない場所だった。
<ガントク郊外のルムテク僧院 と ダージリンの茶畑>
恐らく多くの人が想像するものとは違う”インドの顔”。
そんな北東部の風をお届けしたい。(つづく)
(成瀬久美/文と写真)