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親子関係は取り消せない【最高裁】

 DNA鑑定の結果、子どもの父親が夫ではないことが明らかになった場合、法律上の親子関係を取り消すことが出来るかどうかが争われた裁判が17日行われ、最高裁はその場合でも「親子関係は取り消すことが出来ない」とする判決を言い渡した。

 

 この裁判は、「結婚している夫婦間に出来た子どもは夫の子どもと推定する」と定める民法に対し、DNA鑑定により血縁関係がないことが証明された場合でも、その推定が及ぶかどうかが争点となっていた。

 

 最高裁は判決で、「科学的証拠により親子関係がないことの証明がなされても、子どもの身分の法的安定を守る必要がある」として、取り消しを認めない判断を示した。

 

 今回の最高裁の判決は、北海道、関西、四国で行われていた3つの訴訟についての統一判断を下したもので、北海道と関西のケースでは母親が親子関係の取り消しを求め、1審、2審ともに取り消しを命じる判決が出ていた。四国のケースでは夫側が取り消しを求めていたが、1審、2審ともにそれを認めない判決が出ていた。

 

 最高裁の判決でも、裁判官5人中3人が親子関係は取り消せないとする判断に賛成したが、2人は反対するなど意見が分かれる中での今回の判決となった。

 

(DAILY NOBORDER編集部)