憲法9条と池田名誉会長の教えを踏みにじる公明党の山口那津男代表の強弁
安倍政権は1日、集団的自衛権の行使を可能にするための新たな憲法解釈を閣議決定する。専守防衛に徹し、海外での武力行使を強く自制してきた戦後日本の安全保障政策を根底から覆す暴挙と言えよう。
何より議論の運びが乱暴だった。狂信的タカ派路線を突き進む安倍自民党は数に驕り、国民に対する説明責任を十分にはたしたといえない。また、護憲平和を標榜してきた公明党の豹変ぶりには、地方組織や支援団体の創価学会からも異論、批判が噴出している。
集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け入れた同党の山口那津男代表は、「あくまでも限定的な容認だ。憲法9条の規範は全く変わるものではない」との考えだ。
しかし、憲法9条が日本の海外での武力行使することを禁じているにもかかわらず、閣議決定には自衛隊の活動に地理的制限がまったく盛り込まれていないのだ。山口代表がどう強弁しようとも、現行憲法を大きく逸脱していることは否定し難い。
毎日新聞が行った直近の世論調査では58パーセントが集団的自衛権の行使容認に反対だ。政府・与党の説明が不十分だとする人が81パーセントに上っていることからも、今回の閣議決定がいかに強引なものだったかが伺えよう。
政府・与党は秋の臨時国会を9月29日召集する方向で調整に入った。集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて自衛隊法や武力攻撃事態法、周辺事態法など安全保障関連法制の改正整備をいっきに進めるつもりだ。
法案成立を急ぐあまり、強引な国会運営に走るようであれば安倍内閣は国民の支持を失うことになろう。
ちなみに毎日新聞の調査では内閣支持率は45パーセント。前回5月調査より4ポイント減った。内閣発足以来最低である。逆に不支持は2ポイント増え、35パーセント。こちらは過去最高となった。わずかに5ポイントの「行って来い」で支持、不支持が逆転する。安倍政権の命運を左右する臨時国会になりそうだ。
(藤本順一)
ブログ『藤本順一が「政治を読み解く」』より
写真:山口那津男Facebookより